...俵の船積が狂詠に「色とりどり姿に人は迷ふらん同じ瓦の今戸人形」(明和年間)とも見ゆ...
淡島寒月 「江戸の玩具」
...おもなる筋を知りたる人も踏み迷ふべきほどなり...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...歸りは易かるべしと思ひの外、導者なくして、方角を失し、密竹の中に迷ふ...
大町桂月 「十和田湖」
...どんなに間違つても川の方へさへ辿りつけば路を迷ふ氣遣はあるまいといふ...
竹久夢二 「砂がき」
...踏み迷ふ如き日』とあつた...
種田山頭火 「其中日記」
...出る時に道を迷ふしんぱいはありません...
土田耕平 「時男さんのこと」
...烟に迷ふアカイアの軍勢...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...誰(たれ)にかぎらず若い中(うち)は兎角(とかく)に気の迷ふことがある...
永井荷風 「すみだ川」
...その未亡人にも別れて路頭に迷ふといふやうな筋立で...
永井荷風 「来訪者」
...水邊を迷ふが如し...
中島敦 「盈虚」
...百里に迷ふ旅心、古りし伽藍に夜を明かす...
夏目漱石 「鬼哭寺の一夜」
...稍暫く重い腕組をして熟考の底にさ迷ふてゐたが...
牧野信一 「酒盗人」
...私の青春憂鬱症(ピグマリオニズム)はタンポヽの穂のやうに単なる悩みに富んだ夢の中をさ迷ふだけであつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...其近欲に迷ふて一年も早く書を読みたきは感情の然らしむる所...
正岡子規 「読書弁」
...迷ふ所もなくそれを撰んだのであつた...
正宗白鳥 「學校の今昔」
...それが眞實か嘘かを思ひ迷ふ暗い疑念さへ殘ればいいのだと思つたのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...果ては身一つの捨て場に迷ふ者さへある...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...吹き迷ふ深山(みやま)おろしに夢さめて涙催す滝の音かなこれは源氏の作...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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