...日本の原著者が迚(とて)も想像もしなかったと思はれる程の精確細密を極めた描写が全篇にあふれて居りまして...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...又迚(とて)も脱走が成功するとは思わない...
海野十三 「壊れたバリコン」
...迚(とて)も上から見通せるものではない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...迚(とて)も迚も助かる見込みはありゃしない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...迚(とて)も主墳發見(しゆふんはつけん)の見込(みこみ)が無(な)いからであつた...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...『残念だがこう穢れていては迚(とて)も指紋の検出は出来ん...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...迚(とて)も立つ瀬が無かつたから...
薄田泣菫 「茶話」
...時間(ひま)がかゝつたりするものでは迚(とて)もいけない...
薄田泣菫 「茶話」
...それで下宿に居ては迚も足りぬから當分五十嵐の家に同居することになり...
高濱虚子 「俳諧師」
...『迚も今日は來て下さるまいと思つて居ましたわ...
徳田秋聲 「媒介者」
...自分(じぶん)の火(ひ)が燒(や)いた其(そ)の主人(しゆじん)の家(うち)に對(たい)して迚(とて)も口(くち)にするだけの勇氣(ゆうき)が起(おこ)されなかつたのである...
長塚節 「土」
...迚(とて)も同年の論に非ず...
福沢諭吉 「新女大学」
...迚(とて)もこんな事では活溌(かっぱつ)に働く者はない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...冬ならば迚も渡れさうにもなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...又囚人を籠るにも用ひし迚大塔の宮を始め景清唐糸等が古跡あり」(下略)紀州東牟婁郡に矢倉明神の社多し...
南方熊楠 「人柱の話」
...ですから貴下を背負(おんぶ)してあの高い天の御殿などにはもう迚(とて)もいかれませんけれども此儘(このまま)にして置いては私の役目が果せませんから...
宮原晃一郎 「子良の昇天」
...そこに落付いて勉強もし仕事もしようというのには迚も駄目でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...迚(とて)もやれませんでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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