...迚(とて)も想像も及ぶまい...
石川啄木 「赤痢」
...何でも才拙(つた)なく学浅くして貌(かたち)さへ醜くき男が万づに勝れて賢き美はしき乙女に焦(こが)れて迚(とて)も協はざる恋路にやつるゝ憐れさを嘆(かこ)つたものださうな...
内田魯庵 「犬物語」
...テキセツな言葉を使いますね」「いやこれでもまだ迚(とて)も君には敵(かな)わないと思っている...
海野十三 「蠅男」
...迚(とて)も見ちゃいられねえっていうんです」江戸っ子らしい老人は...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...「僕には迚も出来ない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...トミーは迚(とて)も兄思いなんですよ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...それを思うと迚も怖しくって今まで申上げられませんでしたが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...近頃の景氣では迚も此商賣で食つて行くだけの事は難かしい...
高濱虚子 「續俳諧師」
...其(その)仔細(しさい)の分(わか)るまでは迚(とて)も會得(ゑとく)のゆかぬ程(ほど)に予(わし)は足下(きみ)を愛(あい)してゐるのぢゃ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...髪を結つてゐたことを考へると、迚も憂鬱よ...
徳田秋聲 「草いきれ」
...迚も器用なお話は出來ませぬ...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...そして肺病がもう迚(とて)も悪いんだぜ...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...亦悪事ありて人にいはるゝ迚も争はずして早く過を改め...
福沢諭吉 「女大学評論」
...去迚は其誠實の本心に戻るに非ずや...
福沢諭吉 「帝室論」
...迚(とて)も叶(かな)わぬ禁酒の発心(ほっしん)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...クヲテン怒て奸夫を殺さん迚(と)逐ひ廻るを見て...
南方熊楠 「詛言に就て」
...うちの顧問先生にしろ自分がアプアプ故迚も手のうちようがないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...迚(とて)も手に合わんぞ」孫次郎はそう呟くと...
山本周五郎 「おもかげ抄」
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