...多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)で迚(とて)も叶(かな)いません...
有島武郎 「一房の葡萄」
...迚も調べはつきやしないよ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...裏の方からは迚(とて)も這入(はい)れませんよ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...苦しかったけれど踊っちゃった、が、痛くって――、迚も堪らない...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...迚(とて)も接吻(キツス)が出来さうな顔ではなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...迚(とて)も安心して札を引く訳に往かなくなつた...
薄田泣菫 「茶話」
...此處の下宿料は四圓五十錢其上炭油茶等皆別に支拂はねばならぬとなると八圓では迚もやり切れさうに無い...
高濱虚子 「俳諧師」
...併し千頁もある大部の書を皆寫すことは迚も出來られないから...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...併(しか)し千頁もある大部の書を皆写すことは迚(とて)も出来(でき)られないから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...迚(とて)も鉄砲洲までは行かれないと思うと...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...なかなか重たくて迚もダメです...
宮原晃一郎 「子良の昇天」
...迚もまともに生きられない時代です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寿江子はまだ主観的で、自分の音の骨ぐみしかなくて(小さい一綴りの)、迚も迚も、それで物語るというところまでは大遼遠です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...迚も伊豆まではのびなかったネと多賀ちゃんと大笑いしました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...父のように黒とか黄とかいうような凝(こ)った渋好みのものは僕みたいに未熟な者には迚(とて)も使えませんから...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...併しその美しさは迚(とて)も妹の美紅や...
夢野久作 「白髪小僧」
...そもそもその少女の美しい事といったら迚(とて)も迚も迚も迚もと二三十行書いて止めておいた方が早わかりする位だ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...迚(とて)も出来ない相談と...
吉川英治 「黒田如水」
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