...短銃をしまふのと振り返るのと...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...彼は倉皇(そうこう)と振り返る暇にも...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...若葉の匂(におい)のむせ返る公園などを...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...急に威張り返るとか何とか...
太宰治 「パンドラの匣」
...年とった男が伴(つれ)の壮(わか)い男を揮(ふ)り返るようにして...
田中貢太郎 「女賊記」
...鐚が後ろへひっくり返ると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぺらぺらと吐く(ほのお)の舌は暗き大地を照らして咽喉(のど)を越す血潮の湧(わ)き返る音が聞えた...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...振り返るとお留は死骸の側に寄って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...煮えくり返るやうな騷ぎでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...多分貴方(あなた)のお兄様は助かりますよ」石井弁護士がそう言って振り返ると...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...見返ると、あの可厭(いやな)々々学生が、何時か私達の傍近くに立って居たではありませんか...
広津柳浪 「昇降場」
...忽ち鳴雪翁の髯に逢著して泣き/\走り返る...
子規 「闇汁圖解」
...氏が振返ると逃げて来た...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...振返ると、花を手にして木間を徘徊する黒い喪服の婦人達が其処彼処に見受けられる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ハハハハハと音響の返る天井へ高い笑い声を投げました...
吉川英治 「江戸三国志」
...沸(わ)き返るような歓呼だった...
吉川英治 「三国志」
...胸のうちが煮え返るようだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「どこだろ?」ときどき、われに返る時は、胃の腑(ふ)から空腹を訴えられる時だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索