例文・使い方一覧でみる「返す返す」の意味

...返す返すも遺憾である... 返す返すも遺憾であるの読み方
芥川龍之介「着物」

...返す返すも竹田は善き人なり... 返す返すも竹田は善き人なりの読み方
芥川龍之介「雑筆」

...返す返すも不覚なれ... 返す返すも不覚なれの読み方
巌谷小波「こがね丸」

...よんどころなく、夜が更（ふ）けてから彼女はそうッとスコップを持って出かけて行って、その辺の畑の土を掻いて来たり、小学校の運動場から滑り台の砂を盗んで来たり、そんな晩には又よく犬に吠（ほ）えられたり、怪しい男に尾（つ）けられたり、―――全く、リリーのためでなかったら、誰に頼まれてこんな嫌な仕事をしよう、だが又リリーのためならばこう云う苦労を厭（いと）わないとは、何としたことであろうと思うと、返す返すも、蘆屋の時分に、なぜこの半分もの愛情を以て、この獣をいつくしんでやらなかったか、自分にそう云う心がけがあったら、よもや夫との仲が不縁になりはしなかったであろうし、このような憂き目は見なかったであろうものをと、今更それが悔まれてならない... よんどころなく、夜が更けてから彼女はそうッとスコップを持って出かけて行って、その辺の畑の土を掻いて来たり、小学校の運動場から滑り台の砂を盗んで来たり、そんな晩には又よく犬に吠えられたり、怪しい男に尾けられたり、―――全く、リリーのためでなかったら、誰に頼まれてこんな嫌な仕事をしよう、だが又リリーのためならばこう云う苦労を厭わないとは、何としたことであろうと思うと、返す返すも、蘆屋の時分に、なぜこの半分もの愛情を以て、この獣をいつくしんでやらなかったか、自分にそう云う心がけがあったら、よもや夫との仲が不縁になりはしなかったであろうし、このような憂き目は見なかったであろうものをと、今更それが悔まれてならないの読み方
谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」

...まして、お客分として、この名古屋の城下へ来た道庵先生ではなく、注意人物の嫌疑者として、地下の獄に投ぜらるべく拘引されて来たはずの先生が、一躍して、天守の上へ舞い上って来ているということは、返す返すも、あざやかな脱線ぶりで、それを見る者、唖然（あぜん）として口のふさがらないのは無理もありません... まして、お客分として、この名古屋の城下へ来た道庵先生ではなく、注意人物の嫌疑者として、地下の獄に投ぜらるべく拘引されて来たはずの先生が、一躍して、天守の上へ舞い上って来ているということは、返す返すも、あざやかな脱線ぶりで、それを見る者、唖然として口のふさがらないのは無理もありませんの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...返す返すも感謝に堪えない次第で... 返す返すも感謝に堪えない次第での読み方
中里介山「大菩薩峠」

...返す返すも今晩は... 返す返すも今晩はの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...その古代エジプト王朝時代の遺物がメムフィスの地に殆んど全く見られなくなってるのは返す返すも惜しむべきである...
野上豊一郎「七重文化の都市」

...返す返すも惜しい... 返す返すも惜しいの読み方
堀辰雄「辻野久憲君」

...不都合なのは自分であったと返す返す薫は悔やまれた... 不都合なのは自分であったと返す返す薫は悔やまれたの読み方
紫式部與謝野晶子訳「源氏物語」

...返す返すあやにくな薫の心というべきである... 返す返すあやにくな薫の心というべきであるの読み方
紫式部與謝野晶子訳「源氏物語」

...返す返すも道理なことであると思いながらも薫は... 返す返すも道理なことであると思いながらも薫はの読み方
紫式部與謝野晶子訳「源氏物語」

...軽率なことをすると言われることで遠慮がされるのだよ」とお言いになりながら返す返すもしてよい行動ではないと自身のお心をおさえようとされたのであるが...
紫式部與謝野晶子訳「源氏物語」

...返す返すも残念です... 返す返すも残念ですの読み方
柳宗悦「民藝四十年」

...返す返すも残念な」尊氏は一歩自分を内省に退いている... 返す返すも残念な」尊氏は一歩自分を内省に退いているの読み方
吉川英治「私本太平記」

...いまさら言っても追いつかねえが、返す返す、あの酒好きの黒ン坊野郎（李逵をさす）を、たった一晩でも、目を離したのが俺の落度だ」「いっそ兄き、こういう手だてはどうでしょう...
吉川英治「新・水滸伝」

...こっちも知っていたのに！返す返すも不覚だった... こっちも知っていたのに！返す返すも不覚だったの読み方
吉川英治「鳴門秘帖」