...それ以外に幾多の遠因も近因もあろうが...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...野本氏の手紙がその最も重大なる近因であったと推定するのが...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...彼は病気の原因を近因と遠因に分類し...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...「あの発作にはそれ相応に根ぶかい近因もあったわけです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...密勅(みっちょく)水戸に下る(大獄の近因)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...則ち知る、その近因は水戸、尾張、越前、薩摩の諸藩士、江戸において、井伊直弼を襲殺せんとするの風説を聞き、むしろこの機に乗じて、井伊と同謀同罪なる間部詮勝を京都に要撃し、以て局面打破の先着を占めんと欲したるのみ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そうして気不味さの近因についてはついに一言(ひとこと)も口にしなかった...
夏目漱石 「行人」
...野々宮と美禰子が話していた談柄(だんぺい)が近因である...
夏目漱石 「三四郎」
...『ホトトギス』とは元から関係があったが、それが近因で、私が日本に帰った時(正岡はもう死んで居た)編輯者(へんしゅうしゃ)の虚子から何か書いて呉(く)れないかと嘱(たの)まれたので、始めて『吾輩は猫である』というのを書いた...
夏目漱石 「処女作追懐談」
...こんどの日本の主権者の変革は、その遠因は、大戦争の大敗という暴力的な事実にあるけれども、その近因は、平和に、適法に憲法を定め、それによつて天皇の権力は、人民に移つたのである...
蜷川新 「天皇」
...徳川幕府をひへいさせた近因だともよばれたほど...
長谷川時雨 「西川小りん」
...発作をおこす近因として殺伐な映画を十分に見せた...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...時候寒暑等の近因に誘われて...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...これらは皆、事の近因として、さらにこの近因を生じたる根本の大原因に溯(さかのぼ)るに非ざれば、事の得失を断ずるに足らざるを信ずるものなり...
福沢諭吉 「徳育如何」
...決心の近因になつた不正裁判は...
森鴎外 「栗山大膳」
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