...隅の方に四五人集つて何かしてゐた近処の子供等は...
石川啄木 「道」
...会ふ度毎に隣近処の小やかましいのが気に病まれてならなかつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...地境の板塀越しに一わたり見えるかぎりの近処の植込を覗いてみた...
薄田泣菫 「独楽園」
...さうして尚ほ其の近処を立去らずにゐる私を又不審さうに眺め始めた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...それを近処の子供たちや遊覧客がかこんで見物していた...
谷譲次 「踊る地平線」
...近処の子はいづれも神田つ子の卵の腕白でこんな意気地なしは相手にしてくれないばかりかすきさへあれば辛いめをみせる...
中勘助 「銀の匙」
...当時凌雲閣の近処には依然としてそういう小家(こいえ)がなお数知れず残っていたが...
永井荷風 「寺じまの記」
...」「この近処なら...
永井荷風 「ひかげの花」
...三年以上の生徒は漢江南岸の永登浦(えいとうほ)の近処で発火演習を行(おこな)った...
中島敦 「虎狩」
...近処の島民に聞くと...
中島敦 「南島譚」
...まだ近処を襲っている音だけは...
中島敦 「光と風と夢」
...近処(きんじょ)辺(あた)りに何処(どこ)となく評判する...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ほんの近処二三スケッチして帰り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何が這入っているんだろう――」近処の山間には酒の密造をやっている者が尠くない...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...近処との交際など真平御免といったように階下は...
牧逸馬 「土から手が」
...また大和丹波市近処に捕え来て牀下(ゆかした)に畜(か)うと...
南方熊楠 「十二支考」
...江戸近処では中川に多くおり...
南方熊楠 「十二支考」
...私の直(じき)近処に塩煎餅(しほせんべい)を売つて細々暮らしを立てゝ居た可愛さうな後家が有升(ありまし)たが...
若松賤子 「黄金機会」
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