...前夜近処より、糸女(いとめ)餌を取らせ、又小鱸鈎に※(す)を巻かせなどしたりしかば、常に無頓着なりしに似ず、今斯(かか)る物の出でしを怪み、之を予に示して、「水蛭(ひる)にて釣らせらるゝにや」と詰(なじ)れり...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...地境の板塀越しに一わたり見えるかぎりの近処の植込を覗いてみた...
薄田泣菫 「独楽園」
...拙者はこの寺の近処に居るもので...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...近処にお峰ちやんといつて私たちよりひとつ年うへの子がゐた...
中勘助 「銀の匙」
...れいのとほりびくをさげさせてさいさい私を近処の川へつれていつた...
中勘助 「銀の匙」
...」近処の犬だの、箱屋(はこや)だの、出前持だの、芸者などが、絶え間なく通過(とおりすぎ)るので、二人は立談(たちばなし)もそこそこに右と左へわかれた...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...また近処の家でつくる高箒(たかばうき)を背負つたりして...
永井荷風 「にぎり飯」
...手を引き合わぬばかりにして近処の銭湯(せんとう)に行った...
永井荷風 「ひかげの花」
...船堀(ふなぼり)の家(うち)にいた時分(じぶん)には近処の若いものにちやほやされた...
永井荷風 「ひかげの花」
...」「この近処なら...
永井荷風 「ひかげの花」
...近処の蝉取(せみと)りに歩く子供等の偸(ぬす)み去るところとなった...
永井荷風 「枇杷の花」
...この近処にゃしかし気のきいたカッフェーはねえようだが...
永井荷風 「雪解」
...初め近処の人々には判(わか)らなかった...
中島敦 「狐憑」
...近処(きんじょ)の歩行なれば双刀は帯(たい)すれども袴(はかま)を着(つ)けず...
福沢諭吉 「旧藩情」
...近処(きんじょ)に知(しっ)て居る者は皆な本を読(よん)で居るのに...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...せきがはら近処も単線で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...近処との交際など真平御免といったように階下は...
牧逸馬 「土から手が」
...三十年経て故郷に還る途上その近処の川辺に息(やす)む...
南方熊楠 「十二支考」
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