...僕もまた近々に、何か書くことがあるかもしれない...
芥川龍之介 「出帆」
...婆やが近々に息子のところへ帰つて行くといふのだけれど...
鈴木三重吉 「桑の実」
...使の娘は近々に私の妹分として御座敷へ出る筈故...
谷崎潤一郎 「刺青」
...是非近々にその念願を遂げたいのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...近々に太閤の奴にしてやられるにちがいないのだ」「先生」「俺は太閤に殺される位なら...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...低い声になって「御部屋様の御懐妊――近々に...
直木三十五 「南国太平記」
...拔擢されて近々に境奉行となり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近々に立ち退いてくれるやうに...
林芙美子 「浮雲」
...僕は近々にこゝを出て行きますよ」直吉はあゝとのびをして...
林芙美子 「瀑布」
...このごろ、お祖母さんの夢を見たりすると、ドキッとすることがあるのよ」「見てあげるひとはいないの」「両親も兄弟も、親類(みより)みたいなのも、深川の空襲で、きれいさっぱりやられてしまったわ」「たよりはしているの」「このあいだ、近々に帰るって、手紙をだしたけど……」「そんならお帰んなさいよ...
久生十蘭 「虹の橋」
...一部分は近々に貰える歳末賞与をそれに当てることもできるはずだが...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...近々に失ふわが脚...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...日露の講和談判が近々に発表されるさうで...
牧野信一 「サクラの花びら」
...だから自分は近々に帰るつもりで居るからお久美さんも一緒に行らっしゃいって云うの...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...近々に太郎が、生後まだ六十日ばかりのヒヨヒヨながら伯父様、即ちあなたに誕生最初の敬意を表して何か本をさし上げるそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...去年から見ると然し何という好成績でしょう! では又近々に又七月二十三日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕七月二十三日 第三十七信やっと盛夏らしい空気と日光になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...近々に章句を版にして置きたいと思っている...
柳田国男 「雪国の春」
...ごく近々には馳(は)せのぼらん...
吉川英治 「私本太平記」
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