...殊に村の総代役は郡でも近々にお民の勤労を表彰する筈だつたと云ふことを話した...
芥川龍之介 「一塊の土」
...これはこなひだ近々にお暇乞に行くといふ手紙を出して置いたので...
鈴木三重吉 「桑の実」
...近々にそのお祝いの宴会(えんかい)をするというので...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...近々に見ますと、その額の、時々寄りあう眉の右上に、厚化粧では隠れそうに思われるほどの淡さで、拇指の先ほどの大きさの痣がありました...
豊島与志雄 「乾杯」
...低い声になって「御部屋様の御懐妊――近々に...
直木三十五 「南国太平記」
...拔擢されて近々に境奉行となり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕は近々にこゝを出て行きますよ」直吉はあゝとのびをして...
林芙美子 「瀑布」
...このごろ、お祖母さんの夢を見たりすると、ドキッとすることがあるのよ」「見てあげるひとはいないの」「両親も兄弟も、親類(みより)みたいなのも、深川の空襲で、きれいさっぱりやられてしまったわ」「たよりはしているの」「このあいだ、近々に帰るって、手紙をだしたけど……」「そんならお帰んなさいよ...
久生十蘭 「虹の橋」
...私は近々にこの学説を学界で発表しようと思って...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...近々に失ふわが脚...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」「近々に御結婚なさるといふことはもうお話し下さつたやうなものでございますね...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...日露の講和談判が近々に発表されるさうで...
牧野信一 「サクラの花びら」
...近々に太郎が、生後まだ六十日ばかりのヒヨヒヨながら伯父様、即ちあなたに誕生最初の敬意を表して何か本をさし上げるそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...近々に又小さい家をもって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...併せて、自分たちの意見として、「やがて、近々に、甲州表の信玄が、大軍をひきいてこれに参るとせば、この拠地(きょち)は、いよいよ不利となりましょう...
吉川英治 「上杉謙信」
...ご心配ないように」「なにかそんな変事が近々に起りそうなのですか」「いや...
吉川英治 「私本太平記」
...近々に、上杉重能(しげよし)がお供して、母者をこれへおつれして来るぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...白(しろ)い裸足(はだし)一近々にご拝眉(はいび)――と手紙をよこした渋沢栄一は...
吉川英治 「松のや露八」
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