...近々に屋根に押し迫つたのであらう...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...殊に村の総代役は郡でも近々にお民の勤労を表彰する筈だつたと云ふことを話した...
芥川龍之介 「一塊の土」
...これはこなひだ近々にお暇乞に行くといふ手紙を出して置いたので...
鈴木三重吉 「桑の実」
...近々にそのお祝いの宴会(えんかい)をするというので...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...もう近々にこの家の中が淋(さび)しくなることを考えると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...使の娘は近々に私の妹分として御座敷へ出る筈故...
谷崎潤一郎 「刺青」
...低い声になって「御部屋様の御懐妊――近々に...
直木三十五 「南国太平記」
...近々に細君を貰ふのだと話した...
林芙美子 「晩菊」
...近々に帰えって来るということです...
林芙美子 「ひらめの学校」
...このごろ、お祖母さんの夢を見たりすると、ドキッとすることがあるのよ」「見てあげるひとはいないの」「両親も兄弟も、親類(みより)みたいなのも、深川の空襲で、きれいさっぱりやられてしまったわ」「たよりはしているの」「このあいだ、近々に帰るって、手紙をだしたけど……」「そんならお帰んなさいよ...
久生十蘭 「虹の橋」
...一部分は近々に貰える歳末賞与をそれに当てることもできるはずだが...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...これを近々にまとめて借りる約束...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...汝等の国は近々にも訪れたいのだが予は...
牧野信一 「消息抄(近頃書いた或る私の手紙から。)」
...だから自分は近々に帰るつもりで居るからお久美さんも一緒に行らっしゃいって云うの...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「いや、近々に、けろりと忘れる場所がおざろうて...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに、岐阜の信孝からは、(近々に、不測(ふそく)を起し、勢州とも諜(ちょう)じ合わせ、秀吉のうしろを奪(と)るべし)と、密書をもって、勝家まで告げに来ているのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...――では将頼、おまえは、おとといの夜も、いったように、おれと分家して、近々に、御厨の方へ住め...
吉川英治 「平の将門」
...また近々に大決斷で殘部の山や畑を賣拂はねばならぬことになつてゐたのである...
若山牧水 「古い村」
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