...眉間(みけん)の八の字の所に近々と寄り集まった...
有島武郎 「或る女」
...詩人竹山静雨が上京して駿河台に居を卜したが近々其第一詩集を編輯するさうだと報じた...
石川啄木 「病院の窓」
...近々と相手の顔にさしつけ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...」◇政府は近々(きん/\)小包郵便の料金を更(か)へるさうだが...
薄田泣菫 「茶話」
...もう近々(ちかぢか)に「父」と呼ぶことも出来なくなるのに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...遠かった筑波も毛穴の見える位近々と歩み寄って...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...近々管絃楽団に配布され...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...三四郎さんも近々(きんきん)大学を卒業なさることだが...
夏目漱石 「三四郎」
...近々嫁入りさす娘だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...相客といふのは、先刻街道筋で、女巾着切(をんなきんちやくきり)を介抱してゐる時、近々と眺め乍ら、素知らぬ顏をして通つて行つた、二人の浪人者に紛(まぎ)れもなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その證據として近々一家を鏖(みなごろし)に仕る可く隨分要心堅固に被遊可(あそばさるべ)く候 頓首蝙蝠冠兵衞 亡靈錢形平次殿斯んな人を嘗(な)めたことが書いてあるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...母屋と直角になつてゐるので縁側と縁側は睫毛(まつげ)も讀めさうに近々と相對して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...酒倉のうちつゞく濱端(はまばた)の一地點に建てられた二階家の欄干(てすり)に近々と浪が寄せて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...ではこの次の手紙(近々かきます)はその分だけにいたしましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...敵は近々と寄るまで...
吉川英治 「上杉謙信」
...近々とさしまねいて...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう近々と武蔵の眼に映ってきていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...近々と寄って細部に現われた細かいリズムにふれることができたせいか...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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