...今度は前よりも近々(ちかぢか)と...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...少年は顔を斜めに、近々と帽の中...
泉鏡花 「悪獣篇」
...この某国大使館では近々先生の馘(くびき)るという話を御書面(ごしょめん)で承知しましたが...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...」かういふわけから挙国一致で講和大使として近々巴里(パリー)へ出掛ける筈の西園寺侯が...
薄田泣菫 「茶話」
...自分の社で近々(きん/\)青年画家の作品展覧会をするから...
薄田泣菫 「茶話」
...村井へ顔を近々とさし寄せて...
豊島与志雄 「変る」
...近々のうちに拵えなければならない...
豊島与志雄 「生あらば」
...わしも近々京都の方へ行こうと思う」「京都の方へ?」お浜は意外な面(かお)...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう厭(いや)になったから近々(きんきん)罷(や)めようと思うんです...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...近々(きんきん)の内水島君は博士論文でも呈出して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...近々と茶碗を進め...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身動きもならぬ有樣に候――場所は何處ともわからず異樣な念佛の聲が近々と聞え申候...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...額口へ近々と寄った...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...信(のぶ)さんは最(も)う近々(ちか/″\)何處(どこ)かの坊(ぼう)さん學校(がくがう)へ這入(はい)るのだとさ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...――それが、地鳴りをたてて、近々と、射程距離(しゃていきょり)にまで迫ったとき、見すましていた堀久太郎は、「撃てッ」と、下知(げち)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...近々と攻めよせてまいりましたぞ」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――寄手の後ろの方から車輪陣の象(かたち)をなした一団が近々と濠ばたへ押し進められてきた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ほの暗い国宝の御堂の床に立って、建礼門院平ノ徳子の座像をさし覗いていると、案内してくれた院主の尼君が、そばから蝋燭の灯をかかげて、七百七十年前の薄命なる一佳人の白い顔を、眼ばたきし給うかとばかり、近々と、灯ゆらぎのうちに見せてくれた...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??