...近々と小間使を取囲んだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...もう近々渡航するという話であった...
高浜虚子 「丸の内」
...夫はその顔を近々と傍(そば)に寄せて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...是非近々にその念願を遂げたいのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...近々大学をお罷(や)めになると云うような噂がございますが...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...すぐそこに近々と微笑んでる眼が...
豊島与志雄 「童貞」
...大砲の方は近々……船の一切が整うは多分来年の四月頃になりましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...近々と寄つて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...急に御前崎の白い濤の音が耳もとへ近々ときこえてくるやうであつた...
林芙美子 「幸福の彼方」
...輪をつくった群集の眼の前を近々と見せびらかして歩いた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...近々(ちかぢか)...
久生十蘭 「あなたも私も」
...雪之丞は、顔を近々と、迫ったこえで、「浪路さま! 浪さま! 雪之丞で、ござりますぞ! おわかりになって下さりませ!」「いいえ」と、いうように、彼女は、死色を呈しながら、かぶりをふるようにした――出来るなら、近づけられた顔を、遠のけたがっているようである...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折々朝のうちの匂いたかい花束が近々と顔に迫って来て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...近々と寄り添うては鳴くのである...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...どうしてそのように近々と私たちを見るのかと...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...ふたりは近々と歩み寄って足を停めた...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...近々に行われよう...
吉川英治 「私本太平記」
...もう近々と武蔵の眼に映ってきていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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