...故に小説家は最も迂遠な仄筆(そくひつ)を使つて...
芥川龍之介 「雑筆」
...だから甚だ迂遠な方法であるが...
石原莞爾 「最終戦争論」
...かくして極めて迂遠ながら第二の説明に頼る方法が取り上げられる...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...迂遠な様だが、この外に方法はないのだよ」殆ど絶望に陥っていた私は、この妙案を聞かされて、思わず上体をしゃんとして、いそいそと云った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...「どうも学者などいふものはあんな迂遠な事ばかし考へてゐて...
薄田泣菫 「茶話」
...ものゝ事情に迂遠な人...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...吾人の道徳と知識とは餘りに煩瑣にして又餘りに迂遠なるに過ぐ...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...迂遠な学問なんかを...
太宰治 「乞食学生」
...またそれは工学方面の事に迂遠な筆者の任でもないが...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...「迂遠なる」学識を嗤う権利を持つ筈はないであろう...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...この結晶の研究などは如何にも迂遠な路を歩むように見えるかも知れない...
中谷宇吉郎 「雪」
...この迂遠な教育を受けたものは...
夏目漱石 「それから」
...随分々々迂遠な事でした...
原田皐月 「獄中の女より男に」
...その目論見こそ迂遠なれ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...迂遠な所などがあれば...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...迂遠な私は、落付いて一休みして行く積りなのだと思って居たのであった...
宮本百合子 「或日」
...人間共通の問題を考えるというがごとき迂遠なことは...
横光利一 「欧洲紀行」
...哲学者などといえばとかく人生のことに迂遠な...
和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
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