...この暑いのに火を起す気かネ」辻村氏の顔を見て...
海野十三 「空襲警報」
...此あたりの家々皆叺をつくるとて筵おり繩を綯ふ長繩の薦ゆふ藁の藁砧とゞと聞え來これの葦邊に湖畔には櫟の木疎らにならびたり布雲に叢雲かゝる近江の湖あさ過ぎくればしき鳴くや鵙比叡辻村來迎寺森可成墓冷かに木犀かをる朝庭の木蔭は闇き椰の落葉や志賀の舊都の蹟は大津町の北數町にして錦織といふ所に在り...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...歸郷の途次辻村にて木欒樹(むくろじ)の花散る蔭に引き据ゑし馬が打ち振る汗の鬣余が起臥する一室の檐に合歡の木が一株ある...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...辻村(つじむら)伊助の「スゥイス日記」を読んでいたら...
堀辰雄 「雉子日記」
...辻村伊助という人の『スイス日記』が最も傑れている...
正宗白鳥 「登山趣味」
...下辻村(しもつじむら)の猟師(れふし)金助(きんすけ)がそれに引き添ふ...
森鴎外 「大塩平八郎」
...辻村辰五郎といふ先生の處へ行くのだな...
森林太郎 「身上話」
...辻村さんはそれを拾つて見て...
森林太郎 「身上話」
...辻村さんがどうするか知らと思つて考へてゐましたの...
森林太郎 「身上話」
...一體辻村さんはけちだと云つては氣の毒ですが...
森林太郎 「身上話」
...辻村平六の二人を供に...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...辻村又之助が出て来た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...供は村山喜兵衛、矢崎舎人(とねり)、辻村平六、そして成瀬久馬の四人、べつに挾箱(はさみばこ)と献上品を運ぶために、小者が三人ついた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...辻村たちの宿直(とのい)であった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...少年の辻村又之助が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...大きな声で辻村と呼んだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...使いは辻村平六で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「いまわれわれの当面している問題は」と甲斐はまた云った、「――つきつめた一念や、壮烈な行動などで解決できるものではない、舎人、――おまえは無実の罪を衣(き)、追放になったことで役目をはたした、それで充分だ、明日ここから江戸へゆけ、そして自分の身を立てるくふうをするがいい、わかったか」「わかりました」舎人は頭を垂れたまま答えた、「こなたさまの御苦心をよそに、はなれてまいるのは辛うございます、まことに辛うございますが」「よし、それでよし」甲斐はあとを聞きたくなかったのだろう、舎人の言葉を遮って立ちあがった、「いま村山喜兵衛をよこす、辻村平六もいる、風呂を浴びてくつろいだら、三人でゆっくり話すがいい、私は江戸へ出てから会うことにしよう」舎人は両手を突いて甲斐を見あげたが、甲斐は眼をそむけたまま出ていった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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