...」床屋の主人(あるじ)は揉上(もみあげ)の辺(あたり)で二三度剃刀(はさみ)を鳴らしてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...それならばということで渡舟に乗って湖の半辺まで漕(こ)ぎ出しますと俄(にわ)かにまた空模様が変わってざあと時雨(しぐれ)が降ってきた...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...部屋のその辺を片づけて...
太宰治 「新樹の言葉」
...身辺整理、――遺書も認めておかう...
種田山頭火 「其中日記」
...頬辺をつっつきました...
豊島与志雄 「肉体」
...夜は女の住居(すまい)の辺りを去らぬ誠によりて...
夏目漱石 「幻影の盾」
...この辺から、半十郎の胸は予感に波打ちます...
野村胡堂 「江戸の火術」
...赤い火の燃える炉辺(ろへん)...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...その周辺数米に亘つて...
原民喜 「飢ゑ」
...新ばしの寅家へ渡辺も共に行き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...誰も人が居さうもない海辺で...
牧野信一 「清一の写生旅行」
...老婆浣衣(かんい)し終りて柴門(さいもん)の辺(あたり)に佇(たたず)み暗(あん)にこれを迎ふれば...
正岡子規 「俳諧大要」
...双眼鏡を片手に海辺に立ちつくしたのであるが...
山之口貘 「野宿」
...紀州の田辺へいった中谷や...
山本周五郎 「風流太平記」
...――それも、ばたとやんで、山門の屯(たむろ)も、庫裡(くり)、廻廊の辺も、寝ぎたない兵の鼾(いびき)になった四更(夜明け前)の頃だった...
吉川英治 「私本太平記」
...だが女嫌いの御辺が持つより...
吉川英治 「私本太平記」
...そして、武松の顔の辺で、ゴロ、と喉(のど)を鳴らし、前肢(ぜんし)を突っ張ったせつな、今にも何かの行動に出そうな爪牙(そうが)の姿勢をピクと見せた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...怪しみながら窪地の辺を窺いて見ると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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