...辷る音まではっきりと聞きとれそうに思われました...
芥川龍之介 「邪宗門」
...地辷りで街道が埋っていた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...足に力を入れると一層辷る...
石川啄木 「菊池君」
...逝く年のあらゆる想いを乗せて音もなく波を辷(すべ)って行く...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...孤独だ! 孤独だ! と吼えはじめて階段を辷りおり...
豊田三郎 「リラの手紙」
...言わでものことに口を辷(すべ)らせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...あぶらをながすように辷(すべ)り出したはぎ野の大胆さは...
室生犀星 「野に臥す者」
...伊吉足踏み辷らし谷川に落ちる...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...その白足袋の眼まぐるしく板に辷(すべ)ってゆく緊張した交錯の線が今でも眼にはハッキリ残っているようであるが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...色々の光線が窓硝子(ガラス)を匐(は)い辷(すべ)った...
夢野久作 「人間レコード」
...一旦辷り出したとなれあ...
夢野久作 「焦点を合せる」
...真暗(まっくら)になった薬戸棚の間を音もなく廊下に辷(すべ)り出た...
夢野久作 「復讐」
...ステキだったでしょう……妾(わたし)……とうとう讐敵(かたき)を討ったのよ……」品夫の手から辷(すべ)り落ちたメスが...
夢野久作 「復讐」
...谷へ辷(すべ)り落ちたまま声なき者...
吉川英治 「私本太平記」
...崖から辷(すべ)り落ちて本隊を見失い...
吉川英治 「新書太閤記」
...辷(すべ)り降りて...
吉川英治 「新書太閤記」
...飛沫(しぶき)をあげて片足を踏み辷(すべ)らせていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...白人の船が水上を辷って行くのを眺めていた...
和辻哲郎 「鎖国」
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