...一気に紙の上を辷(すべ)りはじめる...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...罪人らしく自分の罪を上辷(うわすべ)りに人と神との前に披露(ひろう)もした...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...昼間は辷る衝立が彼等の持つ唯一のドアであるが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...赤い赤い日が徐々(そろそろ)西の山に辷りかけた頃であつた...
石川啄木 「赤痢」
...手が辷(すべ)って...
泉鏡花 「婦系図」
...どうした拍子にか靴を辷べらせて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...山から辷(すべ)り落ちた角のある石の片けが...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...あるいは某断層における地辷(すべ)りに起因するとかいうような事が一通り分れば...
寺田寅彦 「地震雑感」
...上着は辷(すべ)り落ちる...
中里介山 「大菩薩峠」
...うっかり口を辷(すべ)らし過ぎたなと思って起き上ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...職を辷(すべ)るだけの欠陥があったせいだと見られないこともない――駒井はこんなことを考えながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...御心もそぞろに氷のうへをお辷り遊ばしまする時の...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...三斎の居間を辷(すべ)って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...発電所のガラスの中へ辷っていった...
横光利一 「上海」
...あんまり自由にどちらへでも辷りすぎる不安定さで...
横光利一 「旅愁」
...彼は電流の不安定さに任せて群がる自動車の中へ辷り込んだ...
横光利一 「旅愁」
...すぐ矢代の方から辷り出すと今度は彼が...
横光利一 「旅愁」
...お綱は霜の欄干をツウ――と五尺ばかり辷(すべ)った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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