...先刻(さつき)は急しい時で……』と諄々(くど/\)辯疏(いひわけ)を言つて...
石川啄木 「足跡」
...彼は極めて怪訝に堪へぬといつた樣な顏をして、盛岡辯で、『何(どう)しあんした?』と自分に問うた...
石川啄木 「葬列」
...新來の下女のお高は妙に言葉尻の上る田舍辯で時々無作法なことを言つたりぼんやりして氣の附かぬ事も多かつたが...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「蘭話通辯」の印刷が何によつたかは活字以上に明らかでないが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...彼れの自ら明言する所なり彼れ辯妄書に於て其心事を吐露して曰く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...辯護(べんご)しなければならなかつた...
夏目漱石 「門」
...講者(かうじや)は能辯(のうべん)の方(はう)で...
夏目漱石 「門」
...辯舌も才智も相當...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...和助のためにも辯じてやらうともしません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...血の出も少なかつたわけさ」萬七は自分が非難されでもしたやうに辯解するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私が聽いた彼の雄辯は――人にも同じくさう感じられたかどうかは知らないが――泥に塗(まみ)れた失意の沈渣(おり)の溜つた深み――滿たされない憧憬と不安な野心の惱ましい衝動が動いてゐる深みから湧き出したものゝやうに思はれたからである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...辯證法の革命的性質は體系の保守的傾向によつて窒息せしめられたのであらうか...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...從て體系が現實的に求められるところでは、辯證法に於て、矛盾にではなく却て綜合に重きがおかれるのは自然の勢ひであらう...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...理論と實踐との辯證法的統一の上に立つ哲學のみが眞に具體的なる哲學である...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...唯物史觀に於て生産力と生産關係とが辯證法的な關係をなすと云はれるとき...
三木清 「歴史哲學」
...本來の歴史的發展を考へる論理は辯證法のあるのみである...
三木清 「歴史哲學」
...從つて自然と歴史或は自然と人間との間の辯證法的非連續性がまさにかかるものとして把握されるためには...
三木清 「歴史哲學」
...おせつかいな辯ある結婚式の式場でたしか...
吉川英治 「折々の記」
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