...格別のお世辞気もなく穏やかな調子で答えていたが...
有島武郎 「親子」
...あんなお世辞気のない人ですけれど...
徳田秋声 「黴」
...お世辞気のない新妓(しんこ)の銀子に辛(つら)く当たり...
徳田秋声 「縮図」
...彼れは之れを出だすに極めて沈着の辞気を以てし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...あの苦味お世辞気のちっともない答えだ...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...少しお世辞気味に彼女の胴体を抱えるようにして...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...辞気藹然(じきあいぜん)感じ申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...即ち、若狭(わかさ)、近江(おうみ)の旧領へ、新たになお、越前全州と加賀二郡を附与(ふよ)し、「爾今は北陸探題(ほくりくたんだい)として、筑前を扶(たす)けられよ」と、辞気甚だ謙で、贈るところは頗る大きく、かつ、子息鍋丸にまで、柴田伝来の“莞爾(かんじ)”の銘のある名刀を与えたりなどしている...
吉川英治 「新書太閤記」
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