...暫く辛棒して下さい」そこへ給仕が一葉の名刺を手にして入って来た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...みんなもうすこしの辛棒だ――」と絶えだえの熱い息...
峠三吉 「原爆詩集」
...痩せぎすの食い辛棒だなんて...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...お味噌が熱くなるまで辛棒するんだよ...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...「世の中のことは、辛棒が大切だよ...
豊島与志雄 「水甕」
...今まで辛棒した人の気も知らないで...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...思へばお峰は辛棒もの...
樋口一葉 「大つごもり」
...三之助はをとなしく、ほろりほろりと涙のこぼれるを、見せじとうつ向きたる肩のあたり、針目あらはに衣(きぬ)破(や)れて、此肩(これ)に担ぐか見る目も愁(つ)らし、安兵衛はお峯が暇を取らんと言ふにそれは以ての外(ほか)、志しは嬉しけれど帰りてからが女の働き、それのみか御主人へは給金の前借もあり、それッ、と言ふて帰られる物では無し、初(うい)奉公が肝腎(かんじん)、辛棒がならで戻つたと思はれても成らねば、お主(しゆう)大事に勤めてくれ、我が病気(やまひ)も長くは有るまじ、少しよくば気の張弓、引つづいて商ひもなる道理、ああ今半月の今歳(ことし)が過れば新年(はる)は好(よ)き事も来たるべし、何事も辛棒々々、三之助も辛棒してくれ、お峯も辛棒してくれとて涙を納めぬ...
樋口一葉 「大つごもり」
...今宵限り関はなくなつて魂一つがあの子の身を守るのと思ひますれば良人のつらく当る位百年も辛棒出来さうな事...
樋口一葉 「十三夜」
...今日までも物言はず辛棒して居りました...
樋口一葉 「十三夜」
...心に懸けては一日の辛棒もなるまじく...
一葉 「暗夜」
...肌抜ぎだけは辛棒したが...
牧野信一 「鏡地獄」
...容易な辛棒ではなからう...
牧野信一 「山峡の凧」
...――ピョートルは字を知らないという不便を辛棒しかねる...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...もう迚も辛棒ならず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...辛棒(しんぼう)をし徹(とお)して...
森鴎外 「渋江抽斎」
...のみならず彼らの多くは辛棒(しんぼう)強く年期奉公を経て...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...思わず躍り上りたくなるのをジッと辛棒して...
夢野久作 「名娼満月」
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