...人生の大殿堂を根柢から搖り動かして轟き渡る一撞萬聲の鯨鐘の聲を深く這裏(このうら)に藏(かく)して居るのかも知れない...
石川啄木 「雲は天才である」
...急に遠い雷のやうな音が地の下から轟き出した...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...アルフェエ川の夕波に轟きわたる踏歌(たふか)の聲……パルシファル...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...轟き騷ぐ胸を勵まし...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...やかましく轟き渡っている中で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...激浪が入江や断崖に轟きわたる時には...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...わが胸はいまだその人を見ざるに先立ちて怪しくも轟きたり...
永井荷風 「書かでもの記」
...無辺際空に轟き渡る一大楽曲に化成する……それも日光がひとたび直射するにおよんでは...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...そこにゐて聞く海鳴りは地震のやうに鈍い轟きを立てゝゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼はその時の胸の轟きを今もなほ忘れることが出来なかつた...
北條民雄 「青年」
...水の轟きの弱くなるところで...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...あの水車小屋の轟きの中に目醒めて...
牧野信一 「沼辺より」
...その声は濤の轟きに消されて自分の耳にさえよくきこえない...
宮本百合子 「漁村の婦人の生活」
...そのお姿を楽譜の蔭からチラリと見ました時の私の胸の轟きは...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...マザマザと浮き出して参りました時の私の胸の轟きはどんなで御座いましたでしょう...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...胸轟き、舌打ち乾き、呼吸(いき)も絶えなむばかりなり...
夢野久作 「白くれない」
...劇音楽と観衆の熱狂みたいな轟きだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...王の万歳を唱える声が轟き渡った...
和辻哲郎 「鎖国」
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