...であるから自分は決して船に醉はないといふ自信を初めに持つてをればさういふ自信を持つてゐないときに較べて遙に船醉をしないで濟む譯である...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...それでも昨晩に較べると大分元気づいたらしい大月は...
大阪圭吉 「花束の虫」
...昔の地図と今の電車線路入りの地図と較べているうちに色々のことを発見して独りで面白がることも出来た...
寺田寅彦 「夏」
...自分のような人間との境遇の著しい違いを思い較べていた...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...社会科学の夫に較べて...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...その際技術家の生活が他の職業人の生活に較べて特に強大な安定性を有つことが出来る原因は外でもない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...普通人々の有っている空間という概念――人々が普通有っている概念が必ずしも常識的概念ではないことを忘れてはならぬ――が、例えば「空間は何処にあるか」と問われる場合のように***、物体性として説明され易い点に注意すれば、それに較べては、空間性の概念はなる程吾々にとって有利であるようである...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...一般の他の科学と較べて全く反対の効果を有っている...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...プリントに較べればこの講義のラジオ放送の方が遙かに効果的だろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...何っちが本当の挙国一致かと云って挙国一致較べを始める...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...純文學の方は支那のものに較べて見劣りがする...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...俳優に較べて文學者が高いといふのか?一幅數萬金になる畫家に較べて一枚二十圓で高いのか...
直木三十五 「春夫偏見」
...現代人の生活のテンポは世界大戦前の人の生活と較べると非常に速くなった...
平林初之輔 「探偵小説の世界的流行」
...それから較べると今の患者はずつと向上してをり...
北條民雄 「癩院記録」
...他の奈何(いか)なる芸術作品に較べて見ても...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...較べものにならない逸駿さ...
吉川英治 「折々の記」
...――典膳はいつも心配そうに見較べながらついてあるいていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...この杢之進(もくのしん)に較べてみても」立つと思う心もなく...
吉川英治 「増長天王」
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