...その澎湃たる人道的精神の影響はトルストイやドストエフスキイにも及んでゐるではないか? 若し夫れ英語の普及してゐる為に英吉利文芸を軽視するに至つては石や砂の普及してゐる為に日本アルプスを軽視するのと選ぶ所はない...
芥川龍之介 「平田先生の翻訳」
...昔の学者に特有な大衆を軽視するという悪い傾向を除いては現時の科学者のそれと完全に一致するものである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...大乗仏教は仏の説でないとて大乗経を軽視する人もありますが...
石原莞爾 「最終戦争論」
...是を軽視するの趣あれど...
伊藤左千夫 「茶の湯の手帳」
...この偉大なる事実を軽視するが故に...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...これらの事がらは軽視することのできないものであった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...日本では昔から士農工商といって商人を最も低き階級として社会的に軽視する傾きがあるので...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...(25)季題趣味を軽視するということはこの点からいっても俳句を賊するものであることを忘れることはできません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...歴史的変化を軽視することであって...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...それで私は蓄音機をきらう音楽家のピュリタニズムを尊敬すると同時に蓄音機を愛好する素人(しろうと)を軽視する事はどうしてもできない...
寺田寅彦 「蓄音機」
...資本主義的ジャーナリズムやジャーナリストがアカデミシャンから軽視されたり軽視するような態度を採られたりするのも無理ではないが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...真の政治家は往々党派の主義綱領を軽視することあり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そして前者の新らしい心理描写――行為の説明のための心理解剖ではない――の文学が、性格を軽視すると共に、後者の結局は権力をめざす階級闘争――真の社会革命のための闘争ではない――の文学も、性格を軽視する...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...自分の生を軽視することは...
豊島与志雄 「生活について」
...これを軽視する風潮を生じ易い...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...商業的価値を軽視することはできないし...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...出先で支那人と支那語とを軽視する風を改めなければ...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...偶像礼拝の心理をあまりにも軽視するからである...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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