...一人の女を意識に上せて座興にしようとしている人見の軽薄さにはまったく腹が立った...
有島武郎 「星座」
...この際いくらでも示談金の取り得だというような軽薄さで眼前の小利に惑わされたら百年の悔いをのこす...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...未来の妻のためにズボンを汚すことさえも厭(いと)う軽薄さを見ては...
谷崎潤一郎 「細雪」
...又それ自身物の考え方のルーズさや軽薄さを意味しさえするだろう...
戸坂潤 「読書法」
...あたかも彼らはその敬虔な労苦によって、オーベル輩、アダム輩、および、かの偉大な罪人であり悪魔的な驢馬(ろば)であり、悪魔の権化(ごんげ)にして音楽上の悪魔なるベルリオーズ、そういう父祖の、軽薄さの罪を、償おうとでも思ってるかのようだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...救済しがたい軽薄さが見て取られるのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ごくパリー式な婢僕(ひぼく)の軽薄さと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジャックリーヌは世俗的軽薄さややや平凡な実際的精神などを気取っていたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...贅沢というよりはむしろ身の程を知らぬ軽薄さだ……...
豊島与志雄 「田園の幻」
...余りの軽薄さに腹を立てて一喝(いっかつ)を喰わせることもあるが...
中島敦 「弟子」
...世の中の軽薄さを思わせられます...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...少くとも軽薄さではないでしょうか?もちろん人間はどんな絵でも描くでしょうし...
三好十郎 「絵画について」
...それを此処で言葉の上だけで述べるような軽薄さをしたくありません...
三好十郎 「猿の図」
...まさかと思われる程の軽薄さをもってかわるがわる受け入れるというのも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分の軽薄さを罵(ののし)った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...自分の軽薄さ...
山本周五郎 「末っ子」
...今は何ものをも悪罵せずにはおれぬという軽薄さにさえ変じて来ている...
横光利一 「欧洲紀行」
...「不幸、山東を流寓(りゅうぐう)して、それがし逆境の身に、世間の軽薄さを、こんどはよく味わったが、昨日今日は、実に愉快でたまらない...
吉川英治 「三国志」
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