...軽妙な諧謔を弄(ろう)する度に...
芥川龍之介 「山鴫」
...それをにじませないように手早く筆を走らせた軽妙な筆味にあるわけでしょう...
上村松園 「絹と紙の話と師弟の間柄の話」
...軽妙な仕上げを生命とする一派の人の眼で見ればあるいは頭痛を催す種類のものかもしれない...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...其他氏の軽妙な文筆は高く買われる価値がある...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...ことにわたしは自分の文章に現われた『一種の軽妙な味』...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...蒟蒻本(こんにゃくぼん)の軽妙なる写実的小品は漸く順序立ちたる人情本に変ぜんとするの時なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...図体に似合わぬ熟練軽妙なオール捌(さば)きによって...
中里介山 「大菩薩峠」
...軍部の無智に軽妙なあてこすりをいい...
久生十蘭 「蝶の絵」
...アンドレー教授は軽妙な着想によって...
久生十蘭 「南極記」
...洒脱軽妙な王様の声だった...
久生十蘭 「魔都」
...」と呟きながらヘレンは軽妙な靴音をたてゝ彼方此方と飛びまはり始めた...
牧野信一 「痴酔記」
...滑稽軽妙な先代重松は門人に始終落語を聴けと言っていたそうだし...
正岡容 「わが寄席青春録」
...かつは余り砂川の清らさに枕(まくら)をかりてこの河原表(かわらおもて)の砂の上に寐転(ねころ)びたしとの意にて軽妙なる句なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...軽妙なる者もあり...
正岡子規 「古池の句の弁」
...こういう思いつきの軽妙な隠語も...
柳田国男 「年中行事覚書」
...枕木嬢とその許婚の伯爵との間に挟まれた由吉の軽妙な態度とか...
横光利一 「旅愁」
...その手練やら軽妙な諧謔(かいぎゃく)などに...
吉川英治 「私本太平記」
...清朗で軽妙なあの屋根はほのかな銀色に光っていた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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