...この二つを同義語とするものは恐らく女人の俳優的才能を余りに軽々に見てゐるものであらう...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...軽々にこれを行はむとするは紅葉...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...自分の作を軽々には取り扱わず...
上村松園 「旧作」
...然るに栃木県会ハ此重大事件を軽々に議決して他県の利害を顧みず又自県の興廃を慮らず...
田中正造 「非常歎願書」
...しかしこの些末(さまつ)な嗜好品の流行の事実もそう軽々には見遁(みのが)すことの出来ないものではあろうと思われる...
寺田寅彦 「チューインガム」
...一見平凡でそうして多数の人が軽々に看過していて...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...この残りの刺身(さしみ)の幾片かのイメージがこの詩人の午後の半日の精神生活の上に投げた影はわれわれがその文字の表面から軽々に読過するほどに希薄なものではなく...
寺田寅彦 「備忘録」
...たいてい軽々にくさしてしまう...
寺田寅彦 「鑢屑」
...トルストイは一切の執着(しゅうちゃく)煩悩(ぼんのう)を軽々に滑(すべ)り脱(ぬ)ける木石人で無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...夫が軽々に理解された「挙国一致」というものの現実であると見ねばならぬ...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...軽々に言及すべきでないと...
戸坂潤 「読書法」
...国の教学上軽々に看過することの出来ぬ輸入思想である...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...斯(かく)の如き商品の贋造は固より奸商のなす処深く咎むるに足らずと雖これを購うものの心理に至っては軽々に看過すべきに非ざるなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...軽々に手を下せず...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...軽々に人間性を無視しようとする物理学者は...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...軽々に取扱うべき問題ではないから...
柳田国男 「山の人生」
...決して軽々に方途の定められる問題ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...ご当家の老職、藪田五郎左衛門(やぶたごろうざえもん)のむすめは、てまえの妻であり、舅(しゅうと)の仕えるご主君なればまったくの他家とは思われぬ情(じょう)もございましたが……さりとて、軽々には、荷担(かたん)申し上げられぬ大事でございました」「さればこそ、儂(み)とても、そちを他人あつかいはしておらぬ」「なぜ、もう一歩、吉保のために、あらゆる智もかせ腕もかせと、てまえをお用い遊ばしてくださらないか...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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