...懸(か)け軸もない床の間の片すみにはきのう古藤が持って来た花が...
有島武郎 「或る女」
...シャリシャリといえば花の咲く前の蕎麦の軸も...
石川欣一 「可愛い山」
...床の間は一間の板敷なるが懸軸も無く花瓶も無し...
泉鏡花 「活人形」
...どろんどろんと地軸もさけんばかりに雷鳴はとどろく...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...刀(かたな)だの、軸ものだの、文庫にはいっている古い書類だの、そのほか色々な器物(うつわ)が、古道具屋の店みたいに並べてありました...
鷹野つぎ 「虫干し」
...いかに地軸も砕けんばかりに猛烈なものであるか...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...軸も座敷も俄かに引き立つ場合がある...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...その軸も肖像も両(ふた)つながら私のながい間愛好してきたものですが...
辻潤 「書斎」
...実際天柱(てんちゅう)は摧(くだ)け地軸も折れたかという感じが出るが...
寺田寅彦 「静岡地震被害見学記」
...その軸も羊三が近頃ぼろ家を自分のものにすることができたなどの悦びの積りだと思はれた...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...「軸ものも何やら知らんけれど...
徳田秋声 「挿話」
...物の湿ることは雨の降る最中(さいちゅう)よりもかえって甚しく机の上はいつも物書く時手をつくあたりのとりわけ湿って露を吹き筆の軸も煙管(きせる)の羅宇(らお)もべたべた粘(ねば)り障子の紙はたるんで隙漏(ひまも)る風に剥(はが)れはせぬかと思われた...
永井荷風 「雨瀟瀟」
......
永井荷風 「矢はずぐさ」
...ガラガラドシンと天柱地軸も崩るる音...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...ペン軸も...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...青面金剛のようなかわった掛軸も...
柳田国男 「年中行事覚書」
...筆の軸もそうだが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その葉は、樹(き)から離れ、それだけで、軸もなく、のんびりと、別個の生活をしているように見える...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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