...人心の悪化、労資の軋轢、世界現状の行詰等を歎息(たんそく)するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる世相の由(よ)って来る所を、奥深く洞察して世界平和の大計を講ずる資格があるであろうか...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...その音は俺の心の軋みのようにも思われた...
高見順 「いやな感じ」
...ときどきレイルを軋(きし)ませて通り過ぎる電車のひびきに葉をそよがせて立っているまん中...
谷譲次 「踊る地平線」
...この夏中のこの遊星の軋道を図の上で追跡してみようという事にした...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...遙向うの青山街道に車(くるま)の軋(きし)る響(おと)がするのを見れば...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この大回転大軋轢(あつれき)は無際限であろうか...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...肱金(ひじがね)の上に軋(きし)っただけで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...大腿骨(こしのおほぼね)ギシギシ軋らす...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...私は屍體運搬車に違ひないその車の遠い軋りの跡にぢつと耳を傾けてゐた...
南部修太郎 「病院の窓」
...一切の強欲の軋轢の苦役から放免せられてゐる山々一寸きざみに山へ登りつめる廣い天と地鋭利な知能を必要とはしない自然老境にはいつた都會を見捨てゝ柔い山ふところに登りつめる私私はその樂しみの飽くことを知らない...
林芙美子 「屋久島紀行」
...その巨大な蝶番(ちょうつがい)がぎいっと軋(きし)るたびごとに...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ときおり私の小屋のすぐ裏の方で何かが小さな音を軋(き)しらせているようだけれど...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...こんな軋轢(あつれき)のあったことは...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...やがて彼等を愉快な移民とするだろう思え!八千キロを疾走する赤い列車が赤軍を満載して生産の動脈をゆする×動の響きを島々の突端にどよもす日孤島の政治囚の憂鬱な対岸の鉄扉にまで軋みを伝える日母なる間島をつらぬく満州=高麗の主線に対して東洋××(2)の最后の鋲をぶったつける北方の腕となる日を!栗鼠はむっくり首をあげ...
槇村浩 「ダッタン海峡」
...辰男は階子段を軋(きし)ませて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...そのみがかれた天河石の板の上を貴族風の月と紅い火星とが少しの軋りの聲もなく滑って行く...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...みしりと梯子段が軋(きし)んだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...重々(おもおも)と軋(きし)み巡って来るまに...
吉川英治 「源頼朝」
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