...――この黒ぐろと日に焼けた車力(しやりき)に或親しみを感ずるやうになつた...
芥川龍之介 「貝殼」
...金木からまつすぐ西に三里半ばかり行き車力(しやりき)といふ人口五千くらゐのかなり大きい村をすぎて...
太宰治 「津軽」
...仕事の車力も挽かずに...
田中貢太郎 「海異志」
...車力(しゃりき)や馬方(うまかた)が多い時には五人も六人も休んで飯をくっている事もあった...
永井荷風 「日和下駄」
...御苦労さまでした」車力がそのまま車の棒を取上げる...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友は車力に頼んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に車力の地位にかわりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...車力に代ってやってもいいと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに何だね、ついているのは、穀物に熊の子じゃないの、判じものみたようだ」「何しろ、親方、車力の奴が、車を置きっぱなしにして逃げちゃったもんだからね、車に乗っかって来たおいらが、車を引くようなことになっちまったんだ」「おやおや、乗逃げだの、薩摩守だのということはよくあるが、引逃げなんていうのは新しい」「どうもこれ、打捨(うっちゃ)っても置けねえからね」「もしお前、車力が戻って来なければ、名古屋までそうして引張って行ってやるつもりかエ」「どうも仕方がねえ」「ほんとに、御苦労さまな話だ、まあ、そんなことも功徳になるかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれのような数学の教師にゴルキだか車力(しゃりき)だか見当がつくものか...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...車力宿で隠囲(かくま)ってやっていたというのが...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...車力が待たせてある...
火野葦平 「花と龍」
...荷を下す車力の聲や...
水野仙子 「四十餘日」
...荷物を荷(かつ)いで車力を引きながらドンドン駈け出してゆきました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...それから鍛冶屋の爺さんは八百屋の門の口まで車力を引っぱって来ましたが...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...車力(しやりき)が荷馬車を曳いて來た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...車力が後から何かわめくと...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...車力は女の後姿を暫時(しばらく)見送つたが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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