...車井戸の鎖(くさり)の音や物を投出す音が...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...車井戸の向うには一軒の離屋(はなれ)があった...
田中貢太郎 「春心」
...其処(そこ)の傍(そば)に車井戸があつて...
田山花袋 「父の墓」
...昔通りの車井戸だった...
豊島与志雄 「古井戸」
...神尾主膳は車井戸の綱へ手をかけてキリキリと水を汲み上げました...
中里介山 「大菩薩峠」
...河岸に近いところの車井戸の井戸側へ集まりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...車井戸で水を汲んでいる者があることを気がついていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...裏の車井戸はキリキリと鳴っています...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにも拙者の嫌いな車井戸を...
中里介山 「大菩薩峠」
...その車井戸がギーッと軋る音を聞くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...車井戸の音がまたキリキリと鳴りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お嬢様、あなたは幸内がかわいそうだと思召(おぼしめ)しになりませんか、もし幸内がかわいそうだと思召すなら、なぜ、あなたは神尾主膳を殺して下さらない、神尾を討って幸内の仇を酬(むく)いて下さらないのがお恨みでございます、倶(とも)に天を戴かずと申しますのに、私をなぶり殺しにした神尾主膳と、そうして同じ屋敷に住んでいていいのですか、それでこの世に残した幸内の恨みが消えると思召しますか、今も神尾主膳は、ああして私を苦しめています、あの車井戸の音がキリキリと軋(きし)るたびに、私の骨と肉がそれだけ擦り減らされて参りますのです、死んだ後までも、私がかわいそうだと思召すなら、どうか、あの車井戸の音だけでも差止めて下さい、ああ、苦しい、私は神尾主膳のために、鉄(くろがね)の熊手で骨と肉とを掻きむしられながら、地獄の底へ落ちて行くのでございます」お銀様の耳には、車井戸の音も、神尾の怒号も、一つになって幸内が恨みとなって響いて来るのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれども車井戸は一倍けたたましく軋り...
中里介山 「大菩薩峠」
...墓地の中ほどに車井戸がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...多少やかましいと思うのは珊瑚樹(さんごじゅ)の葉隠れにぎいぎい軋(きし)る隣の車井戸(くるまいど)の響ですが...
夏目漱石 「行人」
...車井戸のつるべを上げたり下げたりしていると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...車井戸の音が聞えた...
山本周五郎 「やぶからし」
...車井戸と馬のいない厩(うまや)とがある...
吉川英治 「松のや露八」
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