...縛(いましめ)の鎖も切れるばかり身悶えをした有樣は...
芥川龍之介 「地獄變」
...身悶えしていたそうでございます...
芥川龍之介 「邪宗門」
...お道さんが、さんばら髪に肩を振って、身悶えすると、消えかかった松明が赫(かッ)と燃えて、あれあれ、女の身の丈に、めらめらと空へ立った...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...絶えず身悶えして池を泳ぎまわり...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...これまた身悶えして...
太宰治 「酒の追憶」
...身悶えしたくなる...
太宰治 「女生徒」
...私は言つてしまつて身悶えした...
太宰治 「津軽」
...」「何も身悶えしなくたって...
太宰治 「パンドラの匣」
...三夜の身悶えの果...
太宰治 「ろまん燈籠」
...腰をあげた二人の旅人が急にひっくり覆(かえ)って身悶えした...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...更にそのひとと晴れた日、白いアカシアの花々が川岸に匂う青い川上に、白いボオトを浮べ、ぼくが力漕して汗になったので、何気なく上半身、裸体になったら、差向いのそのひとがパッと顔に紅を散らし、身悶えして、「厭よ、恥かしいわ、早く襯衣(シャツ)を着て頂戴」と乱暴に、ぼくの裸の胸をつきまくったのも忘れられぬ...
田中英光 「さようなら」
...顔も手も瀝青(チャン)だらけにしながら身悶えて泣くのです...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...あそこで女が一人殺されかけている」と身悶えする結びの一句にうたれて...
久生十蘭 「虹の橋」
...烈しく身悶えをしながら啜りあげて泣いていたが...
久生十蘭 「魔都」
...爪先きが汀の右につかえてゐるから保たれてゐるものゝ若しや幻で身悶えでもしたら忽ち水の中へ落ち込んでしまふに相違ない...
牧野信一 「村のストア派」
...さあねえさん、あっちへいこう」為と丑、相手がもがけばとて、叫ぼうとて、ためろう奴ではない――二人、左右から取りついて、腕をつかみ、胸を抱き、「放せ! 無礼もの!」と、叶わぬ身に、身悶える浪路を、奥の方へ、引きずって行こうとするその折だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その犬は道のまん中で断末魔の身悶えにもだえてまわつていたが...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...難解な峡谷に身悶えた帆船――自滅はこのとき行はれるであらう――神はそのとき現れるであらう...
横光利一 「冬彦抄」
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