...お道さんが、さんばら髪に肩を振って、身悶えすると、消えかかった松明が赫(かッ)と燃えて、あれあれ、女の身の丈に、めらめらと空へ立った...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...動物園の膃肭臍(おっとせい)のように身悶えした...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...絶えず身悶えして池を泳ぎまはり絶えず限られた池を呪つて来た老魚の生活の倦怠と憂鬱とが...
薄田泣菫 「魚の憂鬱」
...また蘇って来た春の情熱に身悶えしている...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...これまた身悶えして...
太宰治 「酒の追憶」
...身悶えしたくなる...
太宰治 「女生徒」
...ばたばたばた痒さに身悶えしている物音に...
太宰治 「畜犬談」
...取返しのつかぬ事になつてしまつた、と身悶えしたが、兄は、そんな私を問題にせず、「秋田には、偉い人がゐます...
太宰治 「津軽」
...」「何も身悶えしなくたって...
太宰治 「パンドラの匣」
...三夜の身悶えの果...
太宰治 「ろまん燈籠」
...若い女の姿は無くなつて細君が一人苦しんで身悶えをしてゐた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...腰をあげた二人の旅人が急にひっくり覆(かえ)って身悶えした...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...あそこで女が一人殺されかけている」と身悶えする結びの一句にうたれて...
久生十蘭 「虹の橋」
...語り手は亡夫の心情にせつない身悶えを覚えるのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...上体を激しく身悶えるので...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...さあねえさん、あっちへいこう」為と丑、相手がもがけばとて、叫ぼうとて、ためろう奴ではない――二人、左右から取りついて、腕をつかみ、胸を抱き、「放せ! 無礼もの!」と、叶わぬ身に、身悶える浪路を、奥の方へ、引きずって行こうとするその折だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...社村を押し退かうとして身悶えしたが...
室生犀星 「渚」
...身悶えしていたが...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索