...彼は一身を以て、嫉妬に充満したる京師の空気と、烈火の如き入道相国との衝突を融和しつゝも、尚彼の一門の政治的生命を強固ならしめ、上は朝廷と院とに接し、下は野心ある卿相に対し、励精、以て調和一致の働をなさむと欲したり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...われはこたび身を以て逃れたる事のもとさへ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...父親は朝鮮政府の高官だったが、最近の叛乱に際して、身を以て逃れた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...そもそも勝氏が一身を以て東西の間に奔走(ほんそう)周旋(しゅうせん)し...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...男は身を以て早苗さんを守ろうとし...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...小川さんが全心全身を以て書きあげた記述が...
高野六郎 「小島の春」
...皆盛年の身を以て...
高山樗牛 「瀧口入道」
...――身を以て俳句する...
種田山頭火 「其中日記」
...彼は毎(つね)に身を以て物に先んず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...独り身を以て物に先んじ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...従ってまた如何に馬鹿げたものであるかということを身を以て説明しつつあるものだ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...逃げて二人は生きましょう」お浜は身を以て竜之助にすがりつく...
中里介山 「大菩薩峠」
...身を以て証拠立てようという気にもならない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほんとうに身を以て...
中里介山 「大菩薩峠」
...其卅を眼前に控へた身を以ておふさはあどけなく土手を往復する...
長塚節 「おふさ」
...弟が身を以て感ぜしめられた事を種に...
中原中也 「亡弟」
...かの婦わずかに身を以て免(のが)れたとある...
南方熊楠 「十二支考」
...彼は身を以て城中を脱出したのであった...
山本周五郎 「風流太平記」
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