...智恵子は躍る様な心地になつて...
石川啄木 「鳥影」
...」と烏の下で小さく躍る...
泉鏡花 「海異記」
...怪物の躍るような黒い姿がよく見える...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...さきに湖畔にて見しより一層さやかなるに、いよ/\祈願は成就するなりと、心何となく躍る...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
...出漁の船は躍る銀鱗を満載して港にはひるのである...
太宰治 「津軽」
...Bは躍る心を押へつゝ徐(しづ)かに把手(ハンドル)を廻した...
田山録弥 「時子」
...それと同時にガチャンピシンドタンという大騒ぎ、丼(どんぶり)が飛ぶ、小鉢が躍る、箸が降る、汁とダシの洪水(おおみず)...
中里介山 「大菩薩峠」
...心の中が躍るやうに若やいで来る...
北條民雄 「続重病室日誌」
...むらむらと血湧き肉躍る...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...――何となく愉快なことにでもなる前兆のやうに微かに胸の躍るのを覚へた...
牧野信一 「妄想患者」
...すべてが跳(は)ね躍るように歓呼するように動き出した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...それを思い遣るとすては大腿が躍る弾(はず)みを感じた...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...こんどは余りの歓ばしさに心が躍るのであった...
室生犀星 「幼年時代」
...襯衣(シャツ)一枚の栖方はたちまち躍るように愉(たの)しげだった...
横光利一 「微笑」
...ひどく胸の躍るのを感じた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...セルロイドの噴水玉のように躍るのだった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...町には、二箇の逆賊の首が七日間さらされていた折も折、征途から帰還した、曹操の兵三十万も、この祝日に出会ったので、飲むわ、喰うわ、躍るわ、許都(きょと)は一時、満腹した人間の顔と、祝賀の一色に塗りつぶされた...
吉川英治 「三国志」
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