...躍る心を推し鎮(しづ)めて今暫(しば)し五大洲上を見渡せ...
石川啄木 「閑天地」
...蚊帳が煽(あお)るか、衾(ふすま)が揺れるか、畳が動くか、胸が躍るか...
泉鏡花 「悪獣篇」
...さきに湖畔にて見しより一層さやかなるに、いよ/\祈願は成就するなりと、心何となく躍る...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
......
高村光太郎 「智恵子抄」
...胸も躍るような殺意の快感を心一杯に満喫しながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...曲り(カーブ)を軋(きし)っている電車の響きの間々から遠く躍るような鈴の音が聞えていた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...古市(ふるいち)の明るい燈(ともし)に躍るのである...
中里介山 「大菩薩峠」
...と思うだに胸が躍る...
久生十蘭 「魔都」
...脈が躍るようにヒョコヒョコ動いていた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...僕の心は躍るのだ...
古川緑波 「想い出」
...お兄様の太い男性的な文字――私はその幾行かの上を対角線状に躍る眼を走らせました...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...のう悲しやと喚くやら秘蔵の子猫を馬ほどに鼠が咥(くわ)えて駈け出すやら屋根では鼬(いたち)が躍るやら神武以来の悋気(りんき)争い」とある...
南方熊楠 「十二支考」
...それを思い遣るとすては大腿が躍る弾(はず)みを感じた...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...其目的のものが得られるのだらう? 何故旅を思ふときに自分の胸は躍るのだらう? この樣な考えが不圖胸の中へ浮んで來る...
吉江喬松 「霧の旅」
...明らかに織田武士の躍る影を見...
吉川英治 「新書太閤記」
...躍るもの自身の自滅以外...
吉川英治 「親鸞」
...雑魚(ざこ)は歌い雑魚(ざこ)は躍る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...何とはなしに血の躍る心地がする...
若山牧水 「岬の端」
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