...もう一度そこへ蹴倒しました...
芥川龍之介 「報恩記」
...わたしをそこへ蹴倒しました...
芥川龍之介 「藪の中」
...いきなり撲(なぐ)るべき蹴倒し方だったが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...襖を蹴倒した弘さんが仁王立ちになって私を見下している...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...(これが、牧仲太郎か――わしの一家を苦しめた、牧の最期か?)斑点が――紫色の斑点が、どす黒い肌の上へ現れて、肉が落ち、髪は枯草のように――何んの抵抗力もなく――それは、老いた乞食が、野垂死をするように――その光った眼は物乞いの憐愍(れんびん)さのような微笑さえして――その死体は、白痴のように、口を開いて――(これが、父を殺し、一家を離散させた奴の最期か)小太郎は、牧の首を斬り、止めを刺し、蹴倒し、踏み躙って――と、思っていたが、ここに倒れている牧仲太郎は、漂泊の末に死んで行く、老人の残骸と同じ形であった...
直木三十五 「南国太平記」
...蹴倒したりするから...
羽志主水 「監獄部屋」
...皆が他人を蹴倒して自分の利を追ふことになれば...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...父は何故かその時大変に不快な顔をして居りましたが、いきなり、私を蹴倒して、肩へ痣をこさえる程強く、室の隅へ打ちつけました...
松永延造 「職工と微笑」
...ばかりお蔦を蹴倒しておいて...
三好十郎 「斬られの仙太」
...仙太っ!兵藤 畜生!(とばかりお蔦を蹴倒して置いて...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...浪之助引戻して蹴倒しさんざんな目に会わす...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...玄関のほうへ行燈を蹴倒しながら跳躍した...
山本周五郎 「風流太平記」
...又も左右に蹴倒しますと...
夢野久作 「白髪小僧」
...さしもの本堂の大伽藍(だいがらん)の鴨井(かもい)のあたりからギイギイと音を立てて揺れはじめ、だんだん烈しくなって来て本堂一面に砂の雨がザアザアと降り出し、軒の瓦がゾロゾロガラガラと辷り落ちて、バチンバチンと庭の面(も)を打つ騒ぎに、並居(なみい)る渡世人や百姓の面々は、すはこそ出たぞ、地震地震と取るものも取りあえず、燭台を蹴倒し、雨戸を蹴放(けはな)して家の外へ飛び出せば、本堂の中は真暗闇となって、聞こゆるものは砂ほこりの畳に頽雪(なだ)るる音ばかりとなった...
夢野久作 「名娼満月」
...足を上げて蹴倒した...
吉川英治 「三国志」
...四人が磔柱(はりつけばしら)を蹴倒した...
吉川英治 「新書太閤記」
...敵から槍をつけられても、一瞥(いちべつ)、「この木(こ)っ葉(ぱ)」と見るあいては、蹴倒し、叩きつけて、駈け廻った...
吉川英治 「新書太閤記」
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