...何の為にわたしを苦しめるのか?棘(とげ)のある鞭(むち)を蹴ることは決して手易(たやす)いものではない...
芥川龍之介 「西方の人」
...亂暴に靜子を蹴る...
石川啄木 「鳥影」
...「――素晴らしい着想だわ」夫人は床をコンと蹴ると...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...馬が後脚(あとあし)で人を蹴る外には...
薄田泣菫 「茶話」
...蹄鉄(ひづめ)で小石を蹴るたびに火花が散る...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...意気がったような長い縞の前垂を蹴るようにして蓮葉に歩き出すと...
徳田秋声 「足迹」
...例の警官達から「打つ蹴る殴るの暴行」を働かれたというのである(東朝七月三十一日付)...
戸坂潤 「社会時評」
...鳥居下まで引き出して、そこで、群がって来た大小上下の相撲連三十余名が、件(くだん)の一人のズバ抜けた関取を、打つ、蹴る、なぐる、文字通りの袋叩きです...
中里介山 「大菩薩峠」
...足で岩を蹴るやうにして浮き上つて来る...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...伏籠の天井を蹴るので...
久生十蘭 「春の山」
...馬の蹄(ひづめ)の地を蹴る音とが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...」私は、何んな行にラインを附けたか忘れたが、あの主人公の英国紳士が、はぢめはそのやうに優しい心づかひのもとに彼女を引き伴れて旅に出たのであるが、稍行くと驢馬は決して歩かない、寄ん所なく腕をあげて一撃を喰はせる、と五六歩は歩くが、忽ち止つてしまふ、また一撃――五六歩……紳士は業を煮やし、見得も外聞も忘れて、満身の力を込めて擲る、蹴る、喚く――何のための旅行だか解らなくなつてしまひ、悲しくなる...
牧野信一 「読書と生活」
...余の足は強くテーブルの底を蹴る...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...地を蹴るようにすると...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その他の役人は刑場に居残っているらしい)仙太 (走り寄って)あ! 兄さん! 兄さん!代役 控えませいっ! (仙太の腰を蹴る)喜平 (つづいて土手へ上って来そうにゾロゾロ顔を出した見物...
三好十郎 「斬られの仙太」
...早く開けろう!(戸を蹴る)金吾 (戸を開けながら)誰かね?喜助 (ガタピシと押入るように土間に入って来ながら)わあ...
三好十郎 「樹氷」
...石の上を蹴る蟋蟀...
横光利一 「榛名」
...と何か蹴るような響きがするので...
吉川英治 「宮本武蔵」
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