...後脚(とも)もて水を蹴るときは...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...「お前」の代りに、「あなたには」などと初めて改まつた言葉を使つて、これまで一層世話にはなつたが、今となつては、加集にも義理がある――ぶつなり、蹴るなりして、思ふ十分に意趣は晴らして貰ふ代り、あの條件通りを行つて呉れい! こんな工合に向うが出まいものでもなかつたらう――結局、馬鹿を見るところであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...短い足で何度か蹴ると...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それから地面に引きずり倒して、踏む蹴る、いや大変な騒ぎです...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...その近いところまで、大地をズルズルと引きずって来て、親方と枕を並べたところへ引据えると、それを打つ、蹴る、なぐる、翻弄(ほんろう)する、有らん限りの虐待を加えた後に、乱刀の下に刺し透し、刺し透し、蜂の巣のようにつきくずしてしまったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...足で岩を蹴るようにして浮き上ってくる...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...蹴るの大騷ぎだつたさうで」「取逆上(とりのぼせ)て自害するといふこともありさうだぜ」「それも考へましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...打つ蹴るのひどい仕打ちをうけた...
林芙美子 「淪落」
...折々後足でそれを蹴ることがある...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...直ぐに梯子を巻きあげて呉れといふ合図のために窓の端をこつ/\と蹴ると額にでもその爪先があたりさうだつた...
牧野信一 「女優」
...赤い更紗の重くひろい裾(ユーブカ)を蹴るように歩き...
「赤い貨車」
...早く開けろう!(戸を蹴る)金吾 (戸を開けながら)誰かね?喜助 (ガタピシと押入るように土間に入って来ながら)わあ...
三好十郎 「樹氷」
...仙太 (走り寄って)あ! 兄さん! 兄さん!代役 控えませいっ!(仙太の腰を蹴る)喜平 (続いて土手へ上って来そうにゾロゾロ顔を出した見物...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...蹴るといふ手荒なことはしなかつた...
室生犀星 「めたん子傳」
...地を蹴る足音が夜気をひき裂いた...
山本周五郎 「新潮記」
...おれの女をおれが蹴るにふしぎはねえ」「おれの女?」「うム...
吉川英治 「銀河まつり」
...彼の胸いたを蹴るや...
吉川英治 「新・水滸伝」
...大きな脛(すね)が行燈(あんどん)を蹴る...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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