...チヨツと舌鼓(したうち)して蹲踞(しやが)んだが...
石川啄木 「赤痢」
...小さな膝を折つて其兩膝に罪のない手を乘せて蹲踞んで居る...
伊藤左千夫 「奈々子」
...思ひ思ひに蹲踞(しやが)んだり...
薄田泣菫 「茶話」
...頭取はそこらに蝦蟇(かへる)のやうに蹲踞(つくば)つてゐる人達を掻き分けるやうにして前へ膝行(にじ)り出した...
薄田泣菫 「茶話」
...欄干に靠(もた)れて蹲踞(うずく)まっていた幸子は...
谷崎潤一郎 「細雪」
...鈴もさっきから煖炉(だんろ)の前にやって来て蹲踞(うずく)まりながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一旦戸締りをした格子を開けて家の前の道傍(みちばた)に蹲踞(うずく)まりながら小便をする...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...男は初め自分が草の上に蹲踞(しやが)んだのに心づかず...
永井荷風 「或夜」
...荒布(あらぬの)の前掛を締めた荷揚の人足が水に臨んだ倉の戸口に蹲踞(しゃが)んで凉んでいると...
永井荷風 「夏の町」
...そのまゝ意久地なく其場に蹲踞(しやが)んでしまふと...
永井荷風 「にぎり飯」
...襟巻(えりまき)も取らず蹲踞(しゃが)んで火鉢の消えかかった火を吹いていた...
永井荷風 「ひかげの花」
...じっと蹲踞(しゃが)んでいる事があります...
夏目漱石 「行人」
...蹲踞(しゃが)んでいながら寝(ね)むいので何を考えるでもなく...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...ぢつと蹲踞んで休んだ...
林芙美子 「絵本」
...つくねんと蹲踞(しやが)んでさつきの鉢をいぢつてゐた...
林芙美子 「旅人」
...小さく叫んで男にもおなじやうに蹲踞(しやが)めと急きこんで言つた...
室生犀星 「はるあはれ」
...卑弥呼は藁戸の下へ蹲踞(うずくま)ると...
横光利一 「日輪」
...唯両脚を以て躰(たい)を支(ささ)へて蹲踞(そんきよ)するのみ...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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