...古人及び今人に美しき先蹤あるを知らずして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自分はアツシジの聖人を自分の師と呼び、先蹤と呼び、更に同胞と呼ぶ畏ろしさを恐れない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...古人の先蹤(せんしょう)を追った歌舞伎十八番のようなものでも椿岳独自の個性が自(おの)ずから現われておる...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...盜人を蹤跡する詞に...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...尋常一樣の遊蹤なり...
大町桂月 「碓氷峠」
...俳優のためだつたら地獄のどん底までも蹤(つ)いて来るものだと信じてゐる鴈治郎は...
薄田泣菫 「茶話」
...デモクリトスさえが――プラトンのイデア論の先蹤だという理由で――観念論者に見えるということは...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...井上伯は内閣組織の間際に於て突然失蹤したるは何ぞや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...二人に蹤(つ)いて外まで出た彼女の心は...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...何びともあの天才的奔蹤を思はせる未曾有のリズムと...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...断じて彼以外の者の追蹤を許さない秘密であらう...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...そのあとを蹤(つ)けてきいているうちに...
久生十蘭 「キャラコさん」
...とその辺まではどうやら追蹤することが出来たが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...又血蹤を尋ねて行く途中で僕は少しもまご付いたのではない...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...ここに野干が師子に恩を受けたとせるには訳ある事でこの物毎(つね)に師子や虎を追蹤(つけまわ)りその残食を享けるのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...人はなさけの深みにどうしても蹤(つ)いてゆかねばならないように出来ていて...
室生犀星 「津の国人」
...皆是れ前例なく先蹤(せんしよう)なく...
山路愛山 「明治文学史」
...脳髄の正体を突止めて行ったポカンの苦心惨憺の蹤跡(あと)をモウ一度くり返して辿(たど)ってみるがいい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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