...彼の奇蹟を行ふことにいつも多少ためらつたのはかう云ふ実感にも明らかである...
芥川龍之介 「西方の人」
...荒次郎(あらじろう)をはじめ一族(ぞく)の殆(ほと)んど全部(ぜんぶ)が城(しろ)を枕(まくら)に打死(うちじに)を遂(と)げたことはあまりにも名高(なだか)き史的事蹟(してきじせき)であります...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...游心帳に殘つてゐる芥川の筆蹟を拾つてゆくと...
小穴隆一 「二つの繪」
...斯く勝地多く、尚ほ他に舊蹟も多きが中に、余は特に南湖、感忠銘、關山、白河故關蹟、甲子温泉を擧げて、白河の五大勝と云はむとする也...
大町桂月 「白河の七日」
...――自分は二つの奇蹟を目撃した...
太宰治 「女人訓戒」
...明神前の交番と自働電話だけが奇蹟のように焼けずに残っている...
寺田寅彦 「震災日記より」
...あらゆる衆愚と凡俗の世を離れた靜かな修道院の中に自分の一生を過すと云ふこと――それは少くとも一つの奇蹟とも云ふべき生活である...
「修道院の秋」
...柔か味のある良い筆蹟(て)だな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...奇蹟でも起こらなければ有りえぬことだからである...
久生十蘭 「キャラコさん」
...此清右衞門と云ふ人の事蹟は...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...奇蹟たる他の一面を顧慮して...
森鴎外 「二人の友」
...かつて人の手が如何なる奇蹟をなし得たかを信じ難くさえなるであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...奇蹟(きせき)や...
山本周五郎 「季節のない街」
...……前代未聞の恐ろしい殺人事件のあった家……四人の無疵(むきず)の死骸に護られた室(へや)……その四人を殺した不可思議な女の霊魂の住家……奇蹟の墓場……恐怖の室(へや)……謎語(めいご)の神殿……そんな感じを次から次に頭の中でさまよわせつつかちかちと歯の根を戦(おのの)かしていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...すると久原老も『吉原という古蹟へは...
吉川英治 「紅梅の客」
...たしかにたしかに将監の手蹟(しゅせき)...
吉川英治 「新書太閤記」
...あの奇蹟は見られないのである...
吉川英治 「親鸞」
...それがよく武蔵の真蹟として混同されたりしている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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