...而して覇権一度、相門を去るや、平氏が空前の成功は、平家幾十の袴子をして、富の快楽に沈酔せしむると同時に、又藤原氏六百年の太平の齎せる、門閥の流弊をも、蹈襲せしめたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...砂地に足を蹈(ふ)み乱して...
泉鏡花 「悪獣篇」
...そこを蹈(ふ)むように...
泉鏡花 「絵本の春」
...朝(あさ)蹈(ふ)む陰路(かげみち)の行(ゆき)ずりに...
薄田淳介 「白羊宮」
...舞蹈(ぶたふ)を催(もよほ)す...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...いずれあとで乗せてもらうがしばらく此処で川風に吹かれて行きたいからとそういい捨てると露にしめった雑草の中を蹈(ふ)みしだきながらひとりでその洲の剣先の方へ歩いて行って蘆(あし)の生(は)えている汀(みぎわ)のあたりにうずくまった...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...男のむくろを蹈みつける足であった...
谷崎潤一郎 「刺青」
...彼方此方(かなたこなた)を蹈み分けて行って...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...彼の頭には「巴里へ行ってもこの女なら相当に蹈める」と云った友達の評価が案外深く記憶されていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...今度はいくら私が本気で蹈(ふ)ん張っても...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...蹈みにじられる音と...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...自(みず)から直線的に急歩大蹈(たいとう)せり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...中にも行潦に蹈み込んだ左の足は殊にひどく濡れてゐるので...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...それから燕麦(からすむぎ)の畑(はた)に蹈み込んでそこに寝て休んだ...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...高蹈派の憎悪は「宇宙の存在」そのものの本性に向って行った...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...かの仏蘭西(フランス)の高蹈派が...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...蹈たくってやりたい怒に燃えて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...此春迄は両足蹈みのばせば左の足の踵は右の足のくる節に届きしを...
正岡子規 「病牀瑣事」
便利!手書き漢字入力検索