...すべてが完全に清潔で美しく、殊に内庭は、我々の靴の踵が、平坦で固い土地に痕をつけたことが気になる位清浄であった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...三日めK夫人の容態、呼吸三〇、脈搏一〇〇、火傷部位、顔面半ば、背面全面、腰少し、両踵、発熱あり、食慾皆無、みんなの狂声を黙って視(み)ていた午前中のしろい眼に熱気が浮いて、糞尿桶にまたがりすがる手の慄(ふる)え...
峠三吉 「原爆詩集」
...頭蓋(あたま)の上から踵(かかと)の下まで貫くほどに覚えている...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の踵(かかと)をとほしてその土のもつ深い喜びと沈静とが私の脈搏に通ふ...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...別の道を捜すんだ」健一は思い切りよく踵を返しました...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...さすがは銭形の親分」「おだてちゃいけない」二人は踵(くびす)を返そうとしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの足跡は爪先が輕くて踵(かゝと)の方が深くめり込んで居ますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寝しなに誰かに踵を揉ませる習慣(くせ)がありなさるんじゃありませんかね? 亡くなった良人(やど)は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...赤長靴の踵鉄(そこがね)が目につけばそこには必らずピドールカが情人のペトゥルーシャと甘いささやきを交はしてゐたわけぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...放蕩詩人……これが僕とバイロン卿との最初の会見だった彼は入ってくるや否や羽根つきの帽子を子供のように左から右へ得意げにうちふりながら踵の先へまっすぐに猪首を立て舞台の友田恭助のように 尊大げに口を切った「われ/\の作りあげた浪漫的精神とそのために必要な義憤と昂奮と...
槇村浩 「長詩」
...我々はその後から踵(つ)いて行て一町余り行くと...
正岡子規 「病牀六尺」
...まことに瀟洒な女靴の踵のあとがくっきりと一つ印されているのが目にのこった...
宮本百合子 「女靴の跡」
...律師は踵(くびす)を旋(めぐら)した...
森鴎外 「山椒大夫」
...それまで爪先立ちになっていた踵をおろしざまその魚を「踏み」つけ...
山本周五郎 「青べか物語」
...有難かった」そして甲斐は踵(くびす)を返した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...踵(かかと)を退(ひ)き...
吉川英治 「剣の四君子」
...三寸は踵(かかと)がうごくかと見えただけである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...踵(くびす)をあげて台所口の竹雨樋(たけどい)をカッと斬った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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