...袖子は俄かにそれに興味を持つたといふやうにしてそのまゝその方へと踵を進めた...
田山録弥 「磯清水」
...つま先に踵をつけて小きざみに足をかわした...
壺井栄 「大根の葉」
...踵(かかと)で調子をとりながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...女は踵の高い靴をはいてゐましたから...
永井荷風 「畦道」
...それで大方判った」平次はそのまま踵(きびす)を返して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...膝(ひざ)から踵(かかと)の辺まで...
原民喜 「廃墟から」
...……踵まで火がついたやうな気持で...
原民喜 「火の踵」
...おそらく退屈に耐えずして踵(くびす)を返すだろう...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...踵の高い女の靴ではこんな芸当は出来ない...
久生十蘭 「魔都」
...踵(きびす)を返してゆっくりと向かった先はテント...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...厚いフエルト草履と踵のまがつた靴――一同は嬉々としながら停車場を出て来る――小川の向方に細い煙突を持つた丸木小屋に似た僕等の家が見える...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...やれ踵が二秒早く降り過ぎたの...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...我々はその後から踵(つ)いて行て一町余り行くと...
正岡子規 「病牀六尺」
...御柳(ぎょりゅう)の葉と貝多羅葉(ばいたらよう)とを貰(もら)いに来る人が踵(くびす)を接した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...すぐに踵(くびす)を返して去っていった...
山本周五郎 「新潮記」
...われにもあらず長崎の方へ踵(くびす)を返して...
夢野久作 「白くれない」
...馬の踵(かかと)みたいに黒ずんで固くなって捻(つね)っても痛くも何ともないナンテいう恐ろしいのを丸出しにしているのは...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...踵を追つて牢人の群に落ち...
吉川英治 「折々の記」
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