...どうかしてこの大事な瀬戸を漕(こ)ぎぬけなければ浮かぶ瀬はない...
有島武郎 「或る女」
...こんな瞬間に限っていつでもきまったように私の念頭に浮かぶのは君のあの時の面影だった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...自分はありありと亡き人の俤(おもかげ)が目に浮かぶ...
伊藤左千夫 「奈々子」
...ぽつぽつと浮かぶ三つの黒点――それこそ...
海野十三 「地球要塞」
...八犬伝の「船虫」の話が思い浮かぶ...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...瞼に浮かぶそういう姉の姿を...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...なんでも頭に浮かぶことをでたらめに言ったりした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最後に目に浮かぶものは汚穢である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この四種類がまず頭に浮かぶ...
永井隆 「長崎の鐘」
...一種苦澁な色が浮かぶのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...正月の馬鹿! 微笑が神楽坂を登る彼の頬に浮かぶ...
原民喜 「飯田橋駅」
...口辺に浮かぶのは...
火野葦平 「花と龍」
...妙に心に浮かぶし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...まず考えに浮かぶのはマメ科のホドイモ(Apios FortuneiMaxim.)で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...那智ごとき不便の地に久しく独居すると見聞が至って狭く山(やまわろ)ごときものとなるがそれと同時に考察の力が鋭くなりしたがって従来他から聴いたり書で読んだりせなんだ問題を自ずから思い浮かぶ事が多い...
南方熊楠 「十二支考」
...この句はその俊寛(しゅんかん)のようなあわれな姿が目に浮かぶのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...文六浮かぶ瀬も無い...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...それは全篇の構図をすでに知っている者の心に浮かぶことであって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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