...心に浮かぶ姿はこの位すでに変遷(へんせん)してゐる...
芥川龍之介 「文章と言葉と」
...どうかしてこの大事な瀬戸を漕(こ)ぎぬけなければ浮かぶ瀬はない...
有島武郎 「或る女」
...いま浮かぶ飛行島へ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...ただちにこれが思い浮かぶほど好きである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...召使たちが私の第二の自我であるハイドの出入りするのに前から慣れていることが思い浮かぶと...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...と忽然(こつぜん)最愛の妻の顔が眼に浮かぶ...
田山花袋 「一兵卒」
...一つの指導的なイデーが頭に浮かぶのは時としては瞬間的であって...
寺田寅彦 「空想日録」
...顕微鏡下でたとえばアルコホルに浮かぶアルミニウムの微細な薄片のブラウン運動と非常によく似た状態を示している...
寺田寅彦 「物質群として見た動物群」
...浮かぶ記憶はおのずから異なる態をとりぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...思わず顔に喜色が浮かぶ...
外村繁 「日を愛しむ」
...ハムレットとドン・キホーテの二つの性格が浮かぶ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...浮かぶや否や、帳面の第三頁へ熊岳城(ゆうがくじょう)にてと前書(まえがき)をして、黍(きび)遠(とお)し河原(かわら)の風呂(ふろ)へ渡(わた)る人(ひと)と認(したた)めて、ほっと一息吐いた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...なかなか容易なことでは浮かぶ瀬はないのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...正月の馬鹿! 微笑が神楽坂を登る彼の頬に浮かぶ...
原民喜 「飯田橋駅」
...皆田老人の偉そうな様子というのがまざまざと眼に浮かぶように思い...
火野葦平 「糞尿譚」
...まるで海に浮かぶ船だ...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...四十八時間でテムズ川は浮かぶ強毒タンクと化す...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...都会の賑やかさが、暖かく、明るく、媚びられるように、胸に浮かぶ...
水野葉舟 「帰途」
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