...罪と破滅との蔭に微かに其半身の近づき來る跫音を待設けてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...跫音(あしおと)は其処を通って...
泉鏡花 「霰ふる」
...隔(へだて)の襖は裏表、両方の肩で圧(お)されて、すらすらと三寸ばかり、暗き柳と、曇れる花、淋(さみ)しく顔を見合せた、トタンに跫音(あしおと)、続いて跫音、夫人は衝(つ)と退(の)いて小さな咳(しわぶき)...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...跫音は横手の濡れた地面に廻って来るらしい...
梅崎春生 「日の果て」
...あの事件のあったとき階段を誰かが降りて来る跫音(あしおと)を...
海野十三 「階段」
...賑やかに笑いさざめきながら客たちの帰って行く跫音(あしおと)や...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...跫音は直ぐ前に来た...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...これ実に空谷の跫音也...
登張竹風 「美的生活論とニイチエ」
...嵐のような参詣者や信者の群の跫音(あしおと)話声と共に耳を聾(ろう)するばかりの...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...外を通る人の跫音(あしおと)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...廊下を行く微(かす)かな跫音(あしおと)...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...旦那様に失礼でございますが一寸って――廊下にどかどか跫音を立てて日下部が入って来た...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...地を踏み鳴らす跫音(あしおと)と一緒に湧き上った...
横光利一 「日輪」
...密(ひそ)かに近づいている魔の跫音を夢にも知らず...
吉川英治 「剣難女難」
...こんな大きな跫音が...
吉川英治 「三国志」
...誰かゴトリゴトリと重い跫音を雪の中に運んで行く者がある...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...静かな跫音(あしおと)がしてきた...
吉川英治 「親鸞」
...例の跫音を聞いたほかには...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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