...思想(かんがえ)というものが跡形もなく消え失せてしまって...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...折り重なった鈍色(にぶいろ)の雲のかなたに夕日の影は跡形もなく消えうせて...
有島武郎 「或る女」
...何にもかも皆な跡形もなく消えて了ふ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...早跡形もなくなつてゐた...
江南文三 「佐渡が島から」
...そのまま跡形もなく舌の上にとろけゆく口触りのやはらかさ...
薄田泣菫 「独楽園」
...折角苦心してこしらえた馬の形は跡形もなくなってしまった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...数十丈の深さの谷が土砂と巨岩のために跡形もなく埋ってしまったこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...跡形もなくなると云ふやうなことはなさゝうに思へる...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...そうした詩が数千年そのままに伝わって来ていたのがわずかにこの数十年の間に跡形もなく消えてしまうのではないかと疑われる...
寺田寅彦 「自由画稿」
...こういうことを信じてるんだよ――いつかはこの苦しみも癒(い)えて跡形もなくなり...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...昨夜からのことは跡形もなく...
豊島与志雄 「立枯れ」
...それが跡形もなくなって...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...同じように忽(たちま)ち跡形もなく消え失せて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...すべては忽ち跡形もなく消え失せた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...――懐疑主義や厭世主義の悪魔から純な魂を守つてくれた聖人や天使の一群は跡形もなく消え失せ...
北條民雄 「精神のへど」
...跡形もなくなります...
横光利一 「我等と日本」
...陣々の営舎は一夜のうち跡形もなくなってしまった...
吉川英治 「三国志」
...それは大地の捻れによって跡形もなく消し去られ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索