...しかしやがて二人の昂奮は大風に遭った霧のように跡形もなく消えてしまった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...数十丈の深さの谷が土砂と巨岩のために跡形もなく埋ってしまったこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうした詩が数千年そのままに伝わって来ていたのがわずかにこの数十年の間に跡形もなく消えてしまうのではないかと疑われる...
寺田寅彦 「自由画稿」
...それ以上は跡形もなく消え失せた大きな絵から切り抜かれた小さい断片のように...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...さきほどまでの癇癪(かんしゃく)は跡形もなく消え失せたのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...こういうことを信じてるんだよ――いつかはこの苦しみも癒(い)えて跡形もなくなり...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...まるで跡形もなくなって...
夏目漱石 「それから」
...跡形もなく消えてしまうのがおちなのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...行きにあったボン(氷河の割目にかかった雪の橋)が跡形もなくなり...
久生十蘭 「白雪姫」
...もとはさる酒造会社の工場があったのが震災で跡形もなくなり...
久生十蘭 「魔都」
...すべては忽ち跡形もなく消え失せた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...もう柘榴の木なんか跡形もなく晩夏の夾竹桃が...
正岡容 「下町歳事記」
...それは戰災で燒失して跡形もなくなつてゐるさうだ...
正宗白鳥 「心の故郷」
...跡形もなく忘れてしまって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...今は目に見ているが跡形もなく消えてしまう人のように思われ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...陣々の営舎は一夜のうち跡形もなくなってしまった...
吉川英治 「三国志」
...それは大地の捻れによって跡形もなく消し去られ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...水晶の栓は跡形もなく消えて無くなった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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