...凡そ妙義山中、形似によりて、名を得たる岩、數ふるに遑あらざれども、眞に名實相應せるやうに見ゆるは、この大砲岩のみなりと云へば、案内者曰く、もとは名無かりしが、日清戰爭以來、此名を得たる也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...強ひて形似を求めて名をつけたるが...
大町桂月 「妙義山の五日」
...船の形似寄り候えば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...爰は奚の形似によりて訛れるなるべし...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...形似が絵というもののすべてでない限り……」そこで白雲の面(おもて)には悠然たる微笑が湧き...
中里介山 「大菩薩峠」
...それらの幻想的なるものは、いつもそのひとつひとつが絶対なる、認識し得られる限りの、形似上学的、物理学的なる無辺の宇宙の、夫々一片の花びらであつて、現実派の所謂経験的作品の如く、その経験的なる前後の脈絡ともいふべき、換言するならば凡そマンネリズムなる救ひが、見出し得ざればこそ、稍ともすればぽつこりと無明の谷底に転落するのだ...
牧野信一 「半島の果にて」
...けれども形似(けいじ)は絵の巧拙に拘(かかわ)らぬという論でもってその驚きを打ち消してしもうた...
正岡子規 「画」
...それから形似(けいじ)の上においては草木の真を写して居る事は抱一の方が精密なやうである...
正岡子規 「病牀六尺」
...抱一の草花は形似の上においても精密に研究が行届いてあるし輪郭の画き工合も光琳よりは柔かく画いてあるし...
正岡子規 「病牀六尺」
...単に形似の鑑別に止まり...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...同時に形似のところを発揮することもできたのであった...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...形似においても優れているし...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...色彩と形似とを捨て去った水墨画や...
和辻哲郎 「能面の様式」
...それは色彩と形似を殺した水墨画がかえって深く大自然の生を表現するのと等しい...
和辻哲郎 「能面の様式」
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