...大概(たいがい)、莟(つぼみ)から咲(さ)きかかったまで、花の香(か)を伝えたから、跛も、めっかちも聞いたであろうに、仂(はした)なく笑いもせなんだ、つつましやかな人柄(ひとがら)である...
泉鏡花 「縁結び」
...子供を連れて歩く跛の女乞食...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...再びまた勉強一三昧(いっさんまい)になっていたが……そしてもう人から跛者(びっこ)と罵られる機会もこなかったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...部屋じゅう跛足を引いて歩き廻っている...
林不忘 「安重根」
... 410跛足を曳けど神工の痩せたる脚はいと速し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いろんな種類の腰掛けや椅子(いす)やテーブルやまた跛(びっこ)の古い球突台が一つ据えてあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...俺らに御馳走してくれる奴はないはずなんだから」米友は跛足(びっこ)を引きながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...川彼方(かわむこう)を跛足を引き引き駈けて行く米友の形をさんざんに笑いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...尾上(おべ)の後山(うしろやま)の復活の記念としての跛足(びっこ)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...笹屋の宗太郎は、猫背で跛者で、その上小金を貸して、細い利潤(もうけ)を楽しむ、名題の握り屋です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...跛犬(びつこいぬ)のやうな格好で逃げて行く後ろ姿を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ゼーロンの脚さばきは跛であったから駆ければ駆ける程乱雑な野蛮な音響を巻き起し...
牧野信一 「ゼーロン」
...手錠を箝(は)められた囚人や其を護送する劍を光らせる巡査や、または肥馬に跨(またが)ツた聯隊長や、其の馬の尻にくツついて行く馬丁や、犬に乘つた猿や、其の犬を追立(おツた)てて行く猿(さるまはし)や、それからまた妄(やたら)と鞭(むち)で痩馬をひツぱたくがたくり馬車の馭者(ぎよしや)や、ボロ靴で泥を刎上(はねあ)げて行く一隊の兵卒や、其の兵隊を誘致して行くえらさうな士官や、犬を嗾(けし)かけながら犬の先になツて走る腕白小僧や、或は行路病者、國巡禮、乞食僧侶、或はまた癩病患者、癲疳持(てんかんもち)、狂人(きちがひ)、鼻ツかけ、眼ツパ、跛(びツこ)、蹇(ゐざり)、または藝者や素敵な美人や家鴨(あひる)……引ツ括(くる)めていふと、其等の種々の人や動物や出來事が、チラリ、ホラリと眼に映ツてそして消えた...
三島霜川 「解剖室」
...章介(その弟少し跛足(びっこ))章介勿論(もちろん)嬉しくないことはありませんよ...
森本薫 「女の一生」
...跛になるかもしれねえっていう...
山本周五郎 「さぶ」
...重蔵は例の跛行(びっこ)なので...
吉川英治 「剣難女難」
...正成はさっきからすでに跛行(びっこ)を曳いていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...跛行(びっこ)の武者とが...
吉川英治 「新書太閤記」
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