...雜草が跋扈(ばつこ)してゐて僅かに一筋か二筋の細い路になつてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...昭和十五年十二月十四日東京客舍に於て土井八枝跋土井晩翠先生夫人に...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...されば今日のわが清鮮爽快なる日本の新天地においてすらなお旧分子の冥々隠々裏(り)に飛揚跋扈(ばっこ)の威勢を逞しゅうするもまたゆえなきにあらざるなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...学問の方法(手続き)は文献の跋渉にあると考えられ得るが...
戸坂潤 「科学方法論」
...斯くの如き奇怪なる人物が銀座街上に跋扈(ばっこ)していようとは...
永井荷風 「申訳」
...自分は近傍一二里の間はどんな小徑でも跋渉して見た...
長塚節 「教師」
...真事は跋(ばつ)の悪い真相を曝露(ばくろ)された大人(おとな)に近い表情をした...
夏目漱石 「明暗」
...津田は重ねて跋(ばつ)を合せる態度に出た...
夏目漱石 「明暗」
...最後の原稿である「八犬伝跋文(ばつぶん)」はひじょうな名文である...
野村胡堂 「平次と生きた二十七年」
...特に書物の序と跋とを...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...表を通る襤褸(ぼろ)を下げた奴が矢張己れが親類まきで毎朝きまつて貰ひに來る跣跋(びつこ)片眼(めつかち)の彼の婆あ何かゞ己れの爲の何に當るか知れはしない...
樋口一葉 「わかれ道」
...いろいろ自由にあのあたりを跋渉してノートこしらえておきとうございます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...跋は享和甲子即文化紀元の作で...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...神亀五年の古鈔跋文中に長王の二字あり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...旁(かたはら)詩文題跋に及んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...小竹の跋文中に見えてゐる君達の所為とは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...はなはだしい平家の跋扈(ばっこ)と...
吉川英治 「親鸞」
...保守的反動的な偏狭な精神を跋扈せしめたということである...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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