...男は、足音を忍ばせて、其窓に近づいた...
石川啄木 「病院の窓」
...足音を忍ばせてその家に近づいて行った...
梅崎春生 「日の果て」
...そのまま足音を忍ばせてすばやく窓の下をはなれた...
梅崎春生 「日の果て」
...足音を忍ばせて、何者かが階下(した)へ降りて来る様子だ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...黄金仮面は、足音を忍ばせて、それと覚しき部屋の、ドアの前に立止った...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...人々は足音を忍ばせて近寄った...
大阪圭吉 「白妖」
...わたしを愛してくれた者たちよ さようならわたしが愛した者たちとも別れてわたしは森へ死にに行く森のけものの約束を守ってわたしはひとりで死ぬであろう森のけものの血が おお その時わたしのなかでよみがえるだろう人間にならされる前の野獣としてならした人間どもにベロを出してならされた屈辱をベロで舐(な)めおとして莞爾(かんじ)としてわたしは死ぬであろう俺は猫のように足音を忍ばせて部屋に近づいた...
高見順 「いやな感じ」
...「いけない、隠れて」と、旦那が云ふので、食ひさしの茶碗を棚へ置き、足音を忍ばせて、階段を昇つた、上は彼女たちの寝室になつてゐた...
武田麟太郎 「一の酉」
...足音を忍ばせて廊下に出た...
太宰治 「パンドラの匣」
...「これはいけない」舌打を一つ、足音を忍ばせて、盲滅法に歩き廻ると、大きい空倉庫らしいバラックに突き当ります...
野村胡堂 「悪人の娘」
...チョッキを化粧台の上に置くと足音を忍ばせて料理場へ入って行き...
久生十蘭 「魔都」
...足音を忍ばせてみづ江が霧の中に隠れるところであつた...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...足音を忍ばせて階下に降りてゆき...
堀辰雄 「楡の家」
...足音を忍ばせて「口まがり」の傍へ近づいた...
牧野信一 「池のまはり」
...どんなに足音を忍ばせても軋(きし)みが立った...
山本周五郎 「お美津簪」
...足音を忍ばせてあるきだしたが...
山本周五郎 「さぶ」
...久慈は真紀子を起さぬように足音を忍ばせて靴を履き...
横光利一 「旅愁」
...縁側(えんがは)づたひに書院へ足音を忍ばせて行つたが...
與謝野寛 「蓬生」
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