...足音を忍ばせて、私も岩に登る...
石川欣一 「可愛い山」
...こいつをさらうのだと見当をつけたら、足音を忍ばせて、うしろからどんどん追いせまり、さっき教えたような方法で、早いところ、袋を頭の上からかぶせ、それがすんだら、すぐさま、人間の足を、こういう工合にかついで、例の人間箱の中に入れてしまうのだ...
海野十三 「火星兵団」
...足音を忍ばせて、何者かが階下(した)へ降りて来る様子だ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...二人は耳をすまし、足音を忍ばせて、泣き声をたよりに進んで行った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...彼は足音を忍ばせて回廊を歩いて...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...「いけない、隠れて」と、旦那が云ふので、食ひさしの茶碗を棚へ置き、足音を忍ばせて、階段を昇つた、上は彼女たちの寝室になつてゐた...
武田麟太郎 「一の酉」
...「忍ぶ、恋路の、か――さて、果敢(はか)なさよ、とくらあ」小藤次は、口の中で、唄いながら、植込みの中から、広縁の方へ、足音を忍ばせて、入り込んで来た...
直木三十五 「南国太平記」
...彼は又そっと足音を忍ばせて家から遠ざかった...
中島敦 「南島譚」
...「これはいけない」舌打を一つ、足音を忍ばせて、盲滅法に歩き廻ると、大きい空倉庫らしいバラックに突き当ります...
野村胡堂 「悪人の娘」
...足音を忍ばせて、金五郎の寝室に入った...
火野葦平 「花と龍」
...そこで火の着いたロウソクを持ち、足音を忍ばせて、風変わりで小さなこの古家の上なる領域に向かう不愉快な旅を進めたのである...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...足音を忍ばせてみづ江が霧の中に隠れるところであつた...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...足音を忍ばせて階下に降りてゆき...
堀辰雄 「楡の家」
...足音を忍ばせてあるきだしたが...
山本周五郎 「さぶ」
...足音を忍ばせて、入口とは反対のほうにある土間の突当りへゆき、非常口とでもいうものだろう、掛金を外して、開き戸を静かにあけた...
山本周五郎 「風流太平記」
...信乃は足音を忍ばせてそこを離れ...
山本周五郎 「めおと蝶」
...足音を忍ばせて階段をおりた...
山本周五郎 「陽気な客」
...足音を忍ばせてその樹へ近づいて行つたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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