...ボーイはすぐににこにこと不思議な笑いをもらしながらケーク・ウォークの足つきで食堂のほうに帰って行ったに違いない...
有島武郎 「或る女」
...お風呂が沸いたらすぐ知らせまつせ」と妙な足つきをして小走りに走つて畳の上の電報を抄ふやうに拾ひ上げて座敷を出たかと思ふと...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...その足つきは力のない足つきであった...
田中貢太郎 「女の首」
...足つきはもうしっかりしていた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...伊予守忠弘は馴れぬ足つきで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...やはり少年は自分が先に立ってその木蔦のからんだ階段をすこし危なっかしそうな足つきで上って行った...
堀辰雄 「あいびき」
...ヒョイヒョイとぶような足つきで駅の熱湯供給所へ行く後姿を...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...足つきだけは少しヨタヨタしている)ハッハハハ! へっ...
三好十郎 「おりき」
...猫のような柔らかい足つきで畳の上を辷(すべ)ったり...
室生犀星 「香爐を盗む」
...笑顔や言葉や足つきだけが眼に残った...
室生犀星 「童話」
...三五度の泡盛を三、四杯飲んでも、顔色ひとつびくともしない女性で、帰るときの後姿、足つきなど、どこにも飲んでの帰りみたいなところがないのには、居合わせたみんながびっくりした...
山之口貘 「酒友列伝」
...傲然(ごうぜん)とした足つきで出ていった...
横光利一 「花園の思想」
...あたりの人人を見ながらゆとりのある足つきだったが...
横光利一 「旅愁」
...高氏は足つき荒く内へ入った...
吉川英治 「私本太平記」
...……逃げようたって、逃がしてたまるものか」彼とて、その足つきは、そう自由でもない...
吉川英治 「私本太平記」
...何か追ってくる白いものが踵(きびす)から離れぬような恐怖に憑(つ)かれているらしい足つきなのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...道三は、息もせずに、その武器や、兵隊の足つきや、隊伍の組み方を、見入っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...これはもうぼくの意気地のない足つきを見て察しられた川辺氏の懇切なおすすめだった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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