...なにかに引懸(ひっか)かるような足つきが...
海野十三 「俘囚」
...音楽家はモツアルトの楽譜でも踏むやうな足つきをして...
薄田泣菫 「茶話」
...お風呂が沸いたらすぐ知らせまつせ」と妙な足つきをして小走りに走つて畳の上の電報を抄ふやうに拾ひ上げて座敷を出たかと思ふと...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...するすると馴(な)れた足つきで柿の木にのぼりました...
壺井栄 「柿の木のある家」
...おまえはしっかりした足つきで立ってるじゃないか? 僕が好きなのは...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...足つきはもうしっかりしていた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...伯父さんたち一門でやってる出版事業に謂わば片足つきこんでる高木君は...
豊島与志雄 「未亡人」
...伊予守忠弘は馴れぬ足つきで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...しつかりした足つきで横ぎつて行つて一度も振り返らなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...薄べりを踏む足つきにも歴然とあらはれてゐた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...おどおどしながら仙二はまだ若い娘が落ついた取りすました眼付をして平らな足つきで今まで来た道を一寸もかえないで行くのを不思議に思った...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...だが作家の内的矛盾の過程はその内部へ入って作家の独特な足つきに従って追求してゆかなければ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すこしよろめく足つきで...
三好十郎 「胎内」
...すらりと足早(あしばや)にあるいてゆく彼女の長い足つきは...
室生犀星 「幻影の都市」
...三五度の泡盛を三、四杯飲んでも、顔色ひとつびくともしない女性で、帰るときの後姿、足つきなど、どこにも飲んでの帰りみたいなところがないのには、居合わせたみんながびっくりした...
山之口貘 「酒友列伝」
...あたりの人人を見ながらゆとりのある足つきだったが...
横光利一 「旅愁」
...……逃げようたって、逃がしてたまるものか」彼とて、その足つきは、そう自由でもない...
吉川英治 「私本太平記」
...あののろい足つきでも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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