...髪さへ賞(ほ)めて貰へばそれで満足してゐるものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...何とか幾分はっきりと書き足してあるだろう...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...それであなたは満足しているじゃありませんか」―――私は彼女の前へ出ると...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...美妙の『いちご姫』などに於ける言文一致に満足して居られなかつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...一目見れば満足して次の店に移って行かれる...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...そして蟇口(がまぐち)の残りを二十円足して家賃の内金をしてから...
徳田秋声 「のらもの」
...乾燥した大通りの空気も土も不足してる所に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...證據は不足しております...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...素足して踏まんと云ひぬ病める人白き落花の夕暮の庭早く盛りを過ぎた桜が夕暮の庭を白く見せる程吹雪のやうに散つて居る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あなたが神から與へられたものだけで滿足してゐる...
堀辰雄 「室生さんへの手紙」
...そういう奥地にはいるには費用が不足していた...
本庄陸男 「石狩川」
...身どもはこれで満足しておる」阿賀妻は眼を伏せて硬くなっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...ちゃあんと用を足して下さるよ――」そういって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...まだ断定を下すには自分の予備知識が不足しているので躊躇(ちゅうちょ)したけれども...
柳田国男 「海上の道」
...椅子が一つ不足していたから真紀子は浴室のを持ち出して来て自分のにあて...
横光利一 「旅愁」
...兄にすれば満足している大事な女房だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...満足しているものではないことを見抜いています...
吉川英治 「平の将門」
...氏富は満足して、さて、「頼みというのは、お汝(こと)たちが、京都へ行った折に、これを堀川の烏丸(からすまる)光広卿(きょう)のお手許まで届けてほしいのじゃが」と、壁のちがい棚から、ふた巻の絵巻物を取り下ろして、「おととしの頃、光広卿から頼まれて、ようようこのほど描きあげたわたしの拙(つたな)い絵巻じゃが、詞書(ことばがき)を光広卿が遊ばして、献上するお心と聞いておる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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