...時と処とを超越した美の存在などが信じられやう...
芥川龍之介 「後世」
...もし火星の住民も我我の五感を超越した存在を保つてゐるとすれば...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...あるいはそれを超越したあるものとの最も深い交わりをたのしもうと欲するならば...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...日本語不自由組だの「ウマが合った」だのの観念を超越した何か大きいものに向っての信憑(しんぴょう)と努力とがあったのだが...
太宰治 「惜別」
...少なくも東京の学生のような観客層に対してはこの五十銭均一のほうが経済観念を超越した吸引力をもっていそうな気がする...
寺田寅彦 「柿の種」
...経験界を超越したこの物自体に就いて何かを規定し得るかのような仮象を産むのが事実である...
戸坂潤 「辞典」
...あらゆる信仰と血統とを超越した自由な魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その代り時と場合によると世間並(せけんなみ)の遠慮を超越した自然が出た...
夏目漱石 「明暗」
......
仁科芳雄 「日本再建と科學」
...常例を超越した華美な反物でも贈つてやれば兎に角...
正宗白鳥 「吉日」
...法螺丸の法螺はたしかに百科辞典を超越した一種の洒落気(しゃれけ)と魔力とを兼ね備えている...
夢野久作 「近世快人伝」
...老幼を超越したものがあった...
夢野久作 「少女地獄」
...人道と法律とを超越したものであります...
夢野久作 「暗黒公使」
...何という想像を超越した計画であろう...
夢野久作 「暗黒公使」
...一物も見逃してはならないぞ……後で笑われるような軽卒な事をするまいぞ……死生を超越した八面玲瓏(れいろう)の働きをするのだぞ……そうして徹底的にやっつけるのだぞ……と改めて自分自身に云い聞かすように考えながら...
夢野久作 「暗黒公使」
...つまり時代とか流行とかを超越した民衆最高の芸術的良心を対象物として永久に亘(わた)って完成に近付けて行かるべき民族的芸術だそうであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...力なき力――力を超越した心力でなければならぬ――などと講義の弁をふるっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...年代を超越し植物性を超越した樹木の森と云った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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