...観念も時の支配の外に超然としてゐることの出来るものではない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...あたりの低い廂(ひさし)をもった長家の上に超然と聳(そび)えていた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...佐吉さんは、超然として、べつにお祭の晴着を着るわけでなし、ふだん着のままで、店の用事をして居ましたが、やがて、来る若者、来る若者、すべて派手な大浪模様のお揃いの浴衣(ゆかた)を着て、腰に団扇(うちわ)を差し、やはり揃いの手拭いを首に巻きつけ、やあ、おめでとうございます、やあ、こんにちはおめでとうございますと、晴々した笑顔で、私と佐吉さんとに挨拶しました...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...あの吹き捲くる嵐のやうな時勢に全く超然として自由に自己の天地に遊べたわけではない...
谷崎潤一郎 「「細雪」回顧」
...そういう固定したものがあって実生活の変化の上に超然として立ち...
津田左右吉 「陳言套語」
...彼が少なくともかかる妄想に対しては超然としているだろうと...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...曾て超然として政界の外に高踏したりとせよ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...甲野さんは超然としている...
夏目漱石 「虞美人草」
...死ぬ事を苦にせんものは幸福さ」と独仙君は超然として出世間的(しゅっせけんてき)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ドビュッシーだけがワグネリアンの外に超然としているわけにはいかなかったのであろう...
野村胡堂 「楽聖物語」
...私はその頃天下を風靡(ふうび)した自然主義文学の影響から超然とすることが出来た...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...隅のほうで超然と三人の論争をきき流していた酒鼻が...
久生十蘭 「金狼」
...あなたはこんなところでひとりで超然と寝ているのね」「超然なんてことはない...
久生十蘭 「だいこん」
...ある種の超然とした誠実さがあるので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...フィリックス・ザリそっくり、平然、超然とした表情、ペルシャ猫みたいな大きな目...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...萩原君は或ひは超然として「ミヤコ・ホテル」を問題にしないかも知れない...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...この紳士がどうしてこのように超然としていることができるか...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...しかも彼女自身は割りにその方面に超然としているらしく...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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