...晴れた秋の空を見上げながら独(ひと)りぼんやりと幻を趁(お)いかけたりした...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...流行を趁(お)った美しい帯をしめて...
田山花袋 「蒲団」
...玉川(たまがわ)の水を趁(お)うて南東に流れて来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ときどき万年町の元締(もとじめ)からくる毎日の新しい小唄を予習することに趁(お)われていたが...
室生犀星 「幻影の都市」
...おやじの眼を趁(お)うて木の間...
室生犀星 「生涯の垣根」
...たましひふかく抱きしめこごゑにいのり燃えたちぬけふのはげしき身のふるへ麦もみどりを震はせおそるるかわれはやさしくありぬれどわがこしかたのくらさよりさいはひどもの遁がれゆくのがるるものを趁(お)ふなかれひたひを割られ血みどろにをののけどたふとや...
室生犀星 「抒情小曲集」
...ただ悲しいことを避けながらいつもそれに趁(お)われている女にございます...
室生犀星 「津の国人」
...女の人もはだかで此の電氣釜に趁ひこまれる場面があつたが...
室生犀星 「帆の世界」
...その擧句(あげく)には二三人家から飛び出して來てめたん子を趁ひ立てる事は...
室生犀星 「めたん子傳」
...彼女は皇太子妃の後を趁うて写真をとることに...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...内なる光明を趁(お)って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ソノ愚轍(グテツ)ヲアエテ趁(オ)ワントスルトハ...
吉川英治 「三国志」
...これを領外へ趁(お)いたてた...
吉川英治 「新書太閤記」
...それに与(くみ)さぬ良民は趁(お)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...と鞭(むち)に趁(お)われて...
吉川英治 「親鸞」
...またなにものかを趁(お)うように...
吉川英治 「親鸞」
...三好・松永などという乱臣に都を趁(お)われて...
吉川英治 「日本名婦伝」
...恐怖に趁(お)い廻(まわ)された...
吉川英治 「松のや露八」
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