...晴れた秋の空を見上げながら独(ひと)りぼんやりと幻を趁(お)いかけたりした...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...かうして現在から現在を趁(はし)つて...
田山花袋 「父の墓」
...諸々(もろもろ)の貨物は輜重部を趁うて集まり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...統術、開方盈術、趁術、重乗算顆術、還累術等と名づくるものはいずれもこの部類に属する...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...うしろから趁(お)われるような...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...それをいま一度趁(お)うようになるのも拒(さ)けられぬ女の心だった...
室生犀星 「荻吹く歌」
...夏は土手の上へ椅子を持ち出して晩涼を趁うたが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...彼は猫(ねこ)が庭に出ると叱(しか)って趁(お)った...
室生犀星 「生涯の垣根」
...とかげなぞ趁うと...
室生犀星 「生涯の垣根」
...筒井のあとばかりを趁(お)うて慕った...
室生犀星 「津の国人」
...それが日を趁うてななえに「遠のかれる」いやな感じをあたへた...
室生犀星 「渚」
...趁(お)いこまれていた...
室生犀星 「野に臥す者」
...孰方かの女を贔屓にしなければならない所に趁ひ詰められるのだ...
室生犀星 「はるあはれ」
...あたらしい羽根のつづくかぎり趁つて行つた...
室生犀星 「星より來れる者」
...多数がそのえらい物の影を趁(お)って集まるのは悪い事では無い...
森鴎外 「訳本ファウストについて」
...涼を趁(お)うといっても...
山本笑月 「明治世相百話」
...日を趁(お)うて蔽(おお)い難(がた)いものがある...
吉川英治 「新書太閤記」
...またなにものかを趁(お)うように...
吉川英治 「親鸞」
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