...諷経(ふうきん)、散華(さんげ)などの式のあと、さらに禅門各大和尚たちの、起龕(きがん)、念誦(ねんじゅ)、奠湯(てんとう)、奠茶(てんちゃ)、拾骨(しゅうこつ)、――などこもごもな礼拝が行われ、さいごに宗(そうきん)笑嶺和尚の、偈辞(げじ)が読まれ、笑嶺が満身から、発した――喝(か)つ――の大声に一瞬、寂(せき)とし――また仏音楽の奏せられるあいだに、蓮華降り、香木薫(くん)じ、会者は還(めぐ)り巡りつつ、順次、焼香をささげていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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