...十月の高い空のもとに起伏する緑青色の松並木の山また丘である...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...目前に起伏する諸々の社會現象に對しても彼等は注意を怠らない...
橘樸 「支那を識るの途」
...四面の連山のさながら波濤の起伏するがごとく遠く高く連(つらな)れるを...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...やや複雑な地形に起伏するいろいろの畑地を画布の中へ取り入れた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...稍複雜な地形に起伏する色々の畑地を畫布の中へ取り入れた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...その山河起伏するところを考え...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...さまざまな感情が起伏する...
外村繁 「澪標」
...点々起伏する大雪原...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ニルの沿岸に起伏する山脈が遠く姿を現わすのはその辺からで...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...隆起珊瑚礁が庭石の樣に起伏する間に...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...波のようにゆるく起伏する大雪原を縁(ふち)取りした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...骨立った肩が波のように起伏するのは何か非常な大煩悶に逢着したのだということが判る...
久生十蘭 「魔都」
...明滅する先方の光りはイシカリ河口に起伏する砂ッ原にかかったらしい...
本庄陸男 「石狩川」
...いつもえんえんと起伏する山でありながら...
牧野信一 「月あかり」
...けだしこの人その起伏する長鰭を以て飛び翔(か)ける事...
南方熊楠 「十二支考」
...起伏する丘陵のかなたに...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...パミール高原に発する崑崙(こんろん)山系の起伏する地脈が支那西部に入っては岷山(みんざん)山脈となり...
吉川英治 「三国志」
...その主人公と傍系人物とが起伏する発端から終尾までのテーマがすなわち小説であるというような先入主である...
吉川英治 「随筆 新平家」
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