...第一に北劍の細君に喰はせたいと云つて持つて行くのを義雄が思ひ起すと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それははじめ普通の双眼鏡に見えましたが、その先を起すと、蝸牛(かたつむり)が角をはやしたようになります...
海野十三 「怪塔王」
...思うと電気にかかったようにヒョイと身体を起すと...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...微細な黴菌が種々の病を起すことを知るに至ったのも皆真に向うて一歩ずつ進んだ結果であるが...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...それらの事が直接の原因という訳ではありませんが小半に薗八の稽古をさせている中(うち)わたしはいつかこの女を自分の思うような芸人に仕立てて見たらばと柄にもない気を起すようになったのです...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...それが氷晶の上に凝縮を起す...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...その下水の中を見ろ、石を起すんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...向きを変える毎(ごと)に 追憶を吹き起す風が来る...
原民喜 「美しき死の岸に」
...一つの悔恨を想起すると...
松永延造 「職工と微笑」
...男女もし婬慾を起すも相見て語らず...
南方熊楠 「十二支考」
...三次の事件を想起すべきであった...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...体が弱い時には何と云う小さいことがおかしな結果を起すのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...生きたものをゆり起すやうに言つた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...世如何にして詩人を起す乎...
山路愛山 「詩人論」
...「おッ」と彼はいって背を起すと...
横光利一 「上海」
...そしてやおら身を起すと...
吉川英治 「三国志」
...民衆はもっと激昂(げっこう)して抗争を捲き起すかもしれない...
吉川英治 「新書太閤記」
...迷惑がる気もちなど起すのは勿体(もったい)ないと知るのだったが――しかし...
吉川英治 「宮本武蔵」
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